ブログ:がんの自然寛解
先日の大学の授業では
「がんの自然寛解を考える」というテーマで
話をしました。
最初に学生の皆さんに
「末期がんが何もせずに自然に消えることは
あると思いますか?」と質問したところ、
①絶対にあると思う 9%
②多分あると思う 44%
③どちらかと言えばないと思う 27%
④ありえないと思う 20%
という結果でした。
これを見る限りがんの自然治癒が
あると思っている人と、
ないと思っている人は
ほぼ半々という結果でした。
授業では最初に、1993年に
NHK教育テレビスペシャルで放映された
「人間はなぜ治るのか」の映像の
最初の15分だけを見てもらいました。
まず、京都南病院で実際にあった
末期の胃がん患者の話から始まります。
手術をするためにお腹を開くと
すでに胃がんはお腹全体に広がり
とても手術ができる状態では
ありませんでした。
そのため何もできず、
そのままお腹を閉じたのですが、
一年後の検査で胃がんが消失していることが
わかりました。
この患者さんは10数年後に
他の病気で亡くなり、
京大病院で解剖されましたが
その時の所見でも胃がんは完全に
なくなっていたことが証明されました。
この話以外に
末期がんが自然治癒した
4人の患者さんのインタビューなどが
紹介されていましたが、
学生にはその一部を見せました。
あとは私が経験した
がんの自然寛解の症例を
いくつか紹介しました。
初孫が生まれることがわかり、
その後肝臓がんが消えてしまった患者さん。
3年の命と言われたので
その間に世界20数カ国を巡る旅行をしたら
肝臓がんの進行が止まり、
腫瘍マーカーも大きく低下した患者さん。
カラーセラピーで前立腺がんの
腫瘍マーカーが低下した患者さんなど、
私にとって思い出深い患者さんばかりです。
さらに、本や論文などで知った
がんの自然治癒の実例についても
いくつか紹介しました。
最後にがんの自然治癒が起こる条件について
私なりの考えを伝えました。
私が考えている自然治癒が起こる条件は
①一生懸命に取り組んでいるものがある
②治るか否かにこだわらず自然体でいる
③小さな幸福感や心地よさを日々感じられる
私が診た患者さんの経験から、
大それたことや前向きな気持ち、
積極性といったものは、
必ずしも必要だとは思っていません。
実際のところ、
がんがよくなるか否かなどわかりません。
そうであれば「どうにでもなれ」という
よい意味での開き直りが大切だと思うのです。
そうすることで死への不安や恐怖といった
ネガティブな思いは確実に減ります。
もっとも、そうは言っても
人は何かにつけ気にしてしまうものです。
だからこそ、夢中になったり
一生懸命に取り組めるものがあった方が
よいのです。
また、日常における
小さな幸福感や心地よさに
目を向けることも大切です。
一人静かにコーヒーを飲みながら
くつろぎのひとときを過ごすとか、
孫のうれしそうな顔を見るといった、
そんな些細なことが、
とても幸せに感じるものです。
そんな小さな幸せや喜びの積み重ねが
自己治癒力を高め、
延いてはがんの自然治癒や自然寛解に
つながるのではと思っているのです。
この話はYouTubeにもアップしていますので
興味のある方はご覧下さい。
→YouTube「がんの自然治癒が起こる条件」

黒丸先生
カラーセラピーで腫瘍マーカーが低下した前立腺がんの患者さんのこと、懐かしいな〜と思って読んだよ。
オネエチャン療法って言わなかったんだ(笑)
アダチヒロ
大学の授業では「おねえちゃん療法」と言いましたよ。