ブログ:脳の疲れを回復させる
前回は何もせずにボーッとしている時間は
デフォルト・モード・ネットワーク
(DMN)が働き、
ひらめきやアイデアが
生まれやすくなるという
話をさせて頂きました。
今回は疲れた脳を回復させ、
さらには進化させるためには
どうしたらいいのかという話です。
脳疲労を回復させるためには
まずは睡眠です。
ある研究によると
一晩の睡眠不足は、
血中アルコール濃度0.1%に相当し、
これはビール中瓶1本分になります。
さらに慢性的な睡眠不足は
平均寿命を何年も縮めるという
研究結果も出ています。
私たちが眠っている間、
脳は眠るどころか、
その日に経験したことを
処理、整理、管理し
脳の回路を再編成してくれているのです。
また30分以内の昼寝も
脳を休ませるのに有用であり、
昼寝を取入れることで
老化を6年ほど遅らせることが
できるとも言われています。
昼寝も睡眠に勝るとも劣らず
脳疲労の回復には有用なのです。
もちろん起きているときも
脳疲労を回復させることはできます。
例えば自然との触れあいです。
1982年に日本の林野庁によって提唱された
「森林浴」は脳の機能回復には
まさにうってつけです。
ところが現代人は
その正反対の状況に置かれています。
アメリカ人は生活時間の90%を
屋内で過ごし、
外に出るのは週に半日だけと
言われています。
さらにイギリスでは、
子供の4分の3が
刑務所の受刑者よりも
屋外で過ごす時間が少ないという
事実があります。
多分日本人も同様の傾向にあるのでは
ないでしょうか。
自然と触れる効果は
自己治癒力を促す効果もあります。
例えばこんな研究があります。
胆嚢摘出術を受けた患者さんを対象に
病室の窓から見えるのが、
木立か、殺風景なレンガの壁かにより、
鎮痛剤の使用量や回復日数に
違いがあるかを調べました。
すると、緑の景色が見える患者は、
レンガの壁しか見えない患者よりも
鎮痛剤の使用量は抑えられ、
入院期間も短かったという結果がでました。
これはまさに、
自然が自己治癒力を高めたことを
示しています。
運動もまた、
脳を休息させることが知られており、
これはアクティブブレスト(積極的休息)と
呼ばれています。
アクティブブレストは
DMNの機能も向上させます。
私もジムで走っているときに、
ふとアイデアが浮かんだりすることが
しばしばあるので、
運動がDMNを機能させることは
経験的にわかります。
また、ある種の趣味や遊びは
脳を鍛え認知能力を高めてくれると
言われています。
例えば陶芸などは
デジタル世界に対する
解毒剤とも言われており、
ストレスの軽減や
脳を整えるのにとても有用です。
粘土の触感、
器の形を作るのに必要な集中力、
それに伴う創造的な意思決定、
そうしたものがすべてDMNを刺激し、
その結果、メンタルヘルスや認知機能が
向上するのです。
このように自然との触れあいや運動、
ある種の趣味や遊びは、
脳疲労を回復させると同時に
脳機能を高め、ひらめきを促すことにも
役立ちます。
興味のある方は、
ぜひ「何もしない時間」(かんき出版)を
読んでみて下さい。
