ブログ:脳は眠らない②
睡眠には浅い睡眠(レム睡眠)と
深い睡眠(ノンレム睡眠)があります。
人はノンレム睡眠のときに
脳の中で発生した老廃物を洗い流したり、
記憶の整理をしたりしています。
脳には信号を伝える神経細胞以外に、
神経細胞をアシストする役割の
グリア細胞があります。
実は、脳細胞の7~9割が
このグリア細胞なのです。
このグリア細胞は、
私たちが寝ている間に、
脳にたまった認知症や老化の
原因物質だと言われる老廃物を除去し、
掃除してくれているのです。
また脳が情報を素早く取り出すためには
「忘却」という機能が必要になります。
脳には膨大な情報が
データとして蓄積されていますが、
検索をかけた際にファイルが重くて
開かないようなことがないように
不要な情報をなるべく捨て、
すぐさま情報が取り出せるように
しているのです。
脳は他の臓器と異なり、
増えることで機能を獲得するのではなく
削ぎ落とすことで機能を獲得する
臓器なのです。
つまり使っている部分は肥大させ、
使っていない部分は萎縮させるというのが
脳の特徴なのです。
ですから特定の領域だけを鍛えても
脳機能のバランスが悪くなってしまうのです。
逆に、いろいろなことをやればやるほど
脳の様々な部分が肥大し、
若々しい脳を保つことが
できるというわけです。
なお、脳を鍛えるためには、
体の筋肉を使ってトレーニングすることが
有用であることがわかっています。
その鍵を握るのが
BDNF(脳由来神経栄養因子)という
タンパク質です。
BDNFは神経細胞の成長を促し、
記憶力や学習能力を維持する上で、
欠かせない物質です。
このBDNFはノンレム睡眠中に
活性化することがわかっており、
そのため「ぐっすり眠らないといけない」と
言われるのです。
ただしBDNFは睡眠中だけではなく
覚醒中にも登場します。
例えば、知的刺激(読書など)を受けると
シナプスの新たなネットワーク作りが
促進され、脳の一部でBDNFが増加します。
特に効果的なのは有酸素運動や
ダンスなどのリズミカルな全身運動です。
これらの運動を続けることで、
血中のBDNF濃度が上昇し、
高齢者の記憶力が
改善されたという研究もあります。
また生物は「飢餓」状態が
デフォルトモードに設計されており、
満腹の状態は本来、異常事態に近いのです。
そのため間欠的断食、
つまり16時間は何も食べず、
8時間の間だけ食べるという方法は、
体だけではなく脳にもよいと言われています。
実際、間欠的断食で
BDNFが増加し、
神経細胞の増殖やシナプス形成を
促進することもわかっています。
なお、甘いものは
脳の疲れを取ると思っている人が
多いのですがこれはウソです。
甘いものを食べて元気になる気がするのは
脳の栄養補給が行なわれたからではなく
腸でブドウ糖が吸収された結果、
脳でドーパミンが分泌され
幸せな気分が生じるからです。
脳の疲れを取るのには軽い運動や
使っていない脳を使う、
例えば音楽を聴くといったことの方が
よいのです。
なお、糖質の過剰摂取は
糖尿病や認知症のリスクを
高めることになるので要注意です。
興味のある方は一度、東島威史著、
「不夜脳」(サンマーク出版)を
読んでみてはいかがでしょうか。
