ブログ:猛暑は地球温暖化のせいか?

また面白い本を見つけました。
杉山大志著、
「データが語る気候変動問題のホントとウソ」
(電気書院)です。

著者は国連の気候変動に関する
評価報告書を執筆するなど、
地球温暖化問題とエネルギー政策を
専門としている人です。

テレビや新聞では盛んに
人類の排出する二酸化炭素(CO2)によって
地球温暖化が進み、
その結果、危機的な気象変動が
起こっていると言っています。

そのため政府は2050年までに
CO2排出をゼロにすると言い、
巨額の予算をかけて対策をしているのは
皆さんもご存じのことと思います。

ところが著者は言います。

地球の温暖化は確かにあるのですが、
それはごく穏やかなペースであり、
この100年で0.89℃程度、
30年間でみてみるとわずか0.3℃しか
上昇していません。

これは本当でしょうか?

今年の夏の猛暑であり、
8月には群馬県伊勢崎市41.8℃を記録し、
国内での観測史上最高気温を更新しました。

こんな事実を見ると、
30年で0.3℃しか上がっていないというのは
にわかには信じがたいと思ってしまいます。

ところが著者は言います。

猛暑の原因は
地球温暖化の影響などではなく、
「都市熱」や気象の自然変動に
よるものだと言うのです。

都会は都市熱による
「ヒートアイランド現象」が起きて
暑くなります。

つまり、コンクリートやアスファルト、
エアコンや自動車、工場からの熱排出により
気温が押し上げられるのです。

100年当たりで見ると
東京は3.2℃、大阪は2.0℃、
名古屋は2.6℃上昇したと言われています。

地球温暖化による影響は
このうちの0.9℃ですので、
都市化による影響が
いかに大きいかがわかると思います。

また、大雨が激甚化したとも言われ、
実際、日本でも豪雨による被害を
よく耳にするようになり、
これも地球温暖化が原因だと
言われています。

ところが実際のデータを見てみると、
1976年以降の雨量は
確かに増加傾向なのですが、
1950年代も雨量が多く、
これは2010年代にも匹敵するものです。

つまり、大雨が激甚化しているというのは
短期的なデータの「切り取り」に基づくもので
長期的に見ると雨量の増大など
見られないのです。

異常気象があると、メディアはすぐに
地球温暖化のせいにしますが、
統計的に見る限り、
自然災害の激甚化などは
全く観察されていません。

実際、自然変動の幅を越えるような
気候変動のサインは現れておらず、
2100年になっても現れないと
IPCC(気候変動に関する政府間パネルで
国連の科学諮問機関)が言っています。

一方で、
地域的に見れば気候は大きく自然変動
してきたことは間違いありません。

1300年頃から1850年頃の間は
「小氷期」と呼ばれ、
欧州や日本では寒い時期がありました。

また、現在よりも温暖だった時期が
繰り返しあったこともはっきりしています。

日本の縄文時代にあたる
8000年前から4000年前の間は
北半球は温暖でした。

このことは地層に含まれる
花粉や種子、プランクトンなどの分析により
わかっており、
縄文時代に東北地方や北海道で
縄文文化が発達したのは、
温暖な気候に
助けられたからだと言われています。

つまりデータを見る限り、
マスコミが伝えるような
危機的な地球温暖化など
実は生じていないのです。

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