ブログ:反応力を身につける
前回の大学の授業では
「反応力」についての
講義とワークをしました。
効果的なコミュニケーションや
カウンセリングを行なうにあたり
最も重要になるのが信頼関係です。
信頼関係を築けるか否かで
カウンセリングがうまくいくか否かが
決ると言っても過言ではありません。
しかし信頼関係を築くと
言葉で言うのは簡単ですが、
実際はどのようにすれば
それが築けるのかを考えると
結構難しいものです。
そもそも信頼関係が築かれたとは
どのような状態を言うのでしょうか。
実際には様々な要因があると思いますが、
私は相手の人が
「この先生は自分のことをわかってくれた」と
思ってくれた瞬間、
信頼関係が形成されたと理解しています。
その信頼関係を形成するためのポイントが
「反応力」です。
つまり相手の話に対して
どのような反応が返せるかということです。
その際に使う典型的な反応の仕方が
いくつかあります。
一番よく使うのが「同意」です。
例えば、頭にくるといった話をした場合、
「そんなこと言われたら頭にきますよね」と
返すのが同意です。
要するに相手が同意して欲しいことに
同意してあげたらいいのです。
また「ノーマライズ」もよく使います。
これは、ごく普通にあることですよといった
メッセージを伝えるための返し方です。
例えば、「こんなこと考えるなんて
私は異常でしょうか?」と心配する人に対して
「同じような人はたくさんいます」と
返してあげるのです。
このような反応を返してあげると
自分だけではないんだとわかり、
ホッとするものです。
さらに「許可」もよく使う反応のひとつです。
これは「~してもかまいかせんよ」と
することを許可するというやり方です。
例えば
「つい怒ってしまうんです」と言う人に、
そんなときは「怒ってもいいですよ」いった
反応を返してあげるのです。
つい怒ってしまう人に対して、
それはやめましょうと言っても
そんなことできるわけありません。
それよりも、
「怒ってもいいですよ」と許可を与えることで
つい怒ってしまう自分を受け止めてくれた、
わかってくれたと思ってもらえる方が
今後の関わりに有益になるのです。
このように
「同意」「ノーマライズ」「許可」を使って
反応を返せるようになると、
相手に「自分のことをわかってくれた」と
思ってもらえるので、
信頼関係を容易に形成することができます。
他にも
「コンプリメント」という手法もあります。
これは、相手を認める、ねぎらう、
肯定的に評価するという反応を返す方法です。
相手の話を聴いて、
「あなたは何事にも
一生懸命に取り組まれる人なんですね」と
返すといった方法です。
この場合は、相手を肯定的に評価しており、
言われた本人は、認められた感があり、
とても嬉しい気分になります。
自分を認めてくれた人に対して
信頼感を持つというのはごく普通のことであり
これがまさに反応の力なのです。
他にも色々ありますが、
こんな話をした後に
私がその実際を見せ、
あとは学生にもワークをしてもらいました。
うまい人もそうではない人もいましたが
上手に「コンプリメント」しておきました。
まあ、少しずつ上手になることを
期待することにしましょう。
