ブログ:面会制限を考える②

(前回から続く)
二番目の登壇者は岩井一也先生です。

岩井先生は静岡市立静岡病院で
感染管理室長を務める内科医です。

この病院は静岡県内唯一の
第一種感染症指定医療機関として
当初からコロナ患者を
受け入れてきた病院です。

ですから2020年2月には、
ダイヤモンド・プリンセス号からの
コロナ感染患者も受け入れています。

その一方で、
コロナ治療の最前線に立ちながら
「通常の医療との両立」を掲げ、
「余分な対策はやめる」という決断を重ね、
国内でいち早く院内の感染対策の緩和を
行なった病院としても有名です。

そのため現在は、
面会制限はなくマスクの着用も任意に
なっています。

岩井先生は、
インフルエンザとコロナによる死亡率等には
ほとんど違いがなくなっているのに
未だに面会制限をしているのは
何ら科学的根拠がない感染対策だと
言っていました。

通常の病院で設置されている
アルコール消毒のボトルも
早々に撤去したそうです。

また、今の状況はハンセン病に対する
感染対策と同じだとも言っていました。

昭和28年に制定された「らい予防法」は、
ハンセン病(らい病)の治療法が
確立されていたにもかかわらず、
ずっと効力を持ち続け、
結局この古い法律が廃止されたのは
平成8年になってからです。

その間、ハンセン病の患者さんに対して
必要のない隔離政策が
ずっと行なわれていたのですが、
これと面会制限は
同じではないかというのです。

なお静岡市立静岡病院の
感染に対する取り組みについて
磯野さんの院長へのインタビュー動画が
アップされているので
興味のある方はこちらをご覧下さい。
→インタビュー動画

現在、大学病院で面会制限がなくなったのは
順天堂大学、北里大学、大阪大学、
広島大学、浜松医科大学などであり、
ほとんどの大学病院は
今も無意味な面会制限を続けています。

面会は回復期にある患者さんにとっては
治る過程を促進すると考えられ、
面会できないことへのストレスが
かえって病状の改善を妨げている可能性が
あることを忘れてはいけません。

ルールという名の下に、
過剰な感染対策をするのは
弊害以外の何ものでもないのです。

マスクも同様です。

世の中がコロナ前の状況に
戻っているのですから、
医療現場でのマスクも
感染症状がないならば
医療スタッフも患者さんも
着ける必要はないのではないでしょうか。

私のこの問題にはとても関心があります。

そのため、
先日、うちの病院の感染対策室に言って、
マスクや面会制限の話を少ししました。

その件は今話会っている最中だから
もう少し待ってくれとのことでしたが
いつまで待てばよいのかわかりません。

定期的に感染対策室には
顔を出そうと思っています。

マスクに関しては
たくさん言いたいことがあります。

そもそもマスクが
ウイルス感染症を予防するという
科学的根拠はありません。

コロナ前までは、
WHOも厚労省もマスクに関しては
何も言っていませんでした。

なぜならば、
マスクにはインフルエンザなどの
感染予防効果はないということが
信頼性の高い論文で繰り返し発表されており
それが世界の常識だったからです。

ところがコロナが流行し
多数の死者が出ていた中、
ほとんどの人がマスクをしている
日本人の死亡率が極端に低かったことから、
いつの間にかマスクが有効だという話に
すり替えられてしまったのです。

マスクの有効性を示す論文も
信頼性の低い「後ろ向き試験」によるものが
ほとんどです。

にもかかわらず、
信頼性の高い論文よりも
信頼性の低い論文の方が重視するようになり
いつの間にかマスクには
感染予防効果があるということに
なってしまったのです。

コロナになってからも、
マスクを着けている人と
そうでない人との
感染率には差がないという論文も
たくさん出されました。

しかしマスクには
感染予防効果があるという思い込みが
一度できてしまうと、
これはもう簡単には変えられません。

お陰で、今なお病院内では
ほとんどの人がマスクをしていますし、
病院の入り口にも
「マスクをしてください」という張り紙が
されています。

この4年間、
ナースや患者さん、外来受付の人たちの
笑顔を見ることができなくなりました。

新しい研修医が来ても
常にマスクをしているため、
顔を覚えるのが困難になりました。

コロナの時期は、
中学や高校の同級生の素顔を
一度も見ることなく
卒業していったという話を
何度も聞きました。

病院内のスタッフでも
同じようなことが起こっています。

感染という身体面ばかりに目を向け、
安心感や癒しといった心理面は
あまり配慮しない医療現場に
私はかなり失望しています。

もう少しまともな状況になるよう、
これからも感染対策室には頻繁に足を運んで
話を続けていきたいと思っています。

ブログ:面会制限を考える②” に対して2件のコメントがあります。

  1. 遠藤玲子 より:

    先日、あるコンサートで、アンケートに沢山のお客様がコメントを書いて下さいましたが、一名のお客様から、「主催者がマスク着用を促していないので、85%(どうやって数えたのかはわからない)の人がマスクをしていなくて、けしからぬ事だ!不特定多数の人が集まる場で非常識だ!」という大変ヒステリックなコメントを残されました。音楽、聴いてもらえなかったのか、、と、悲しくなってしまいました。演奏が良く無い、というコメントなら、それはそれで良いのですが。
    根拠無く、マスク着用は常識だと言うのは、単なる先入観と思い込みの堆積(笑)ですよね。
    病院はちゃんとマスクしてるでしょ!というのが彼らの根拠になっているみたいなところが感じられます。医療機関からその習慣をなくしてもらわないと、病院信仰者の人たちには説得できないのかもしれないなと思っているところです。
    長々とすみません、、。

  2. holicommu より:

    医者や病院がマスクには感染防止の科学的根拠がないことをはっきりと伝えないといけないですね。

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