ブログ:嫌な人を頭の中から消す7つの方法
(前回から続く)
菅原道仁著、
「あの人を、脳から消す方法」
(サンマーク出版)には、
嫌な人を頭の中から消すための
7つの方法が紹介されています。
最初は「映画化テクニック」です。
これは嫌な人との場面を
映画のワンシーンのように
頭のスクリーンに映し出し、
それを観客席から自分が見ているイメージで
眺めるというテクニックです。
嫌な出来事を直接思い出すのではなく、
映画の中のワンシーンを
自分が見ているという形で
思い出すのです。
こうすることで第三者の視点で
眺めることができるので
感情的に巻き込まれることが
少なくなるというわけです。
このテクニックは
NLP(神経言語プログラミング)でも
使われるものです。
人やものに対する不安や恐怖を
感じるという人に対して
私も昔、このテクニックを使って
治療をしていたことがあります。
ただ私の印象では、
はっきりと頭の中で
イメージを描ける人はよいのですが
イメージを描くのが苦手な人にとっては
なかなか難しいところがありました。
2番目は「書き出しテクニック」です。
これは頭の中でグルグルと渦巻いている
嫌なことを書き出してみるというものです。
書き出すことで
頭の中のモヤモヤしていたものを
はっきりとした形にするのです。
脳ははっきりと形にされたものは
処理済みとして認識するため、
その思いを引きずらないですむのです。
なお書いたものは、
燃やして捨てるとか
シュレッダーにかけるとかして処分します。
その方が本音の思いを
遠慮なく書けるのでより効果的です。
これも誰かに対して強い怒りを感じたときに
よく使うテクニックです。
その相手に対して
思いの丈を文章にして書くのです。
それを封筒に入れて
手紙として出す直前までしますが、
実際には出さずに燃やして処分します。
そのような作業をすることで
ずいぶんと怒りの感情を
和らげることができます。
感情を文章にして吐き出すというのは
その感情を引きずらなくするための
とてもよい方法だと思います。
3番目は「リフレーミング」です。
これは物事の見方を変えるための技法です。
例えば「面倒な仕事」を
「新しい学びの機会」とか
「上手に対処する練習の場」というように
視点を切り替えるというものです。
これもよく使うテクニックではありますが、
新しい見方がその人にフィットし、
腑に落ちるものでないと効果はありません。
失敗続きの人に対して
「失敗は成功のもと」などと言っても、
全く効果がないのと同様で、
その人に新たな気づきをもたらすような
言葉でないとうまくいきません。
4つめは
「タイムリミット・テクニック」です。
これは頭から離れないことに対して
あえて「考える時間」を設定して、
その間は思う存分考えるというやり方です。
ダラダだと考え続けてしまうよりも、
決められた時間だけに敢えて思い出す方が、
不安や恐怖の軽減の効果があると
言われています。
ただし、この方法を私は
実際にしたことがないので、
効果のほどはわかりません。
5番目は「今ここテクニック」です。
「今ここ」に意識を向けることで
嫌な思いから距離を取ることができるので
自ずとその思いが
薄れていくというわけです。
これはマインドフルネスの考え方
そのものです。
「今ここ」に意識を向けるための
最も基本的なやり方は
呼吸に意識を向けるという方法です。
6番目は「身体化テクニック」です。
心と身体はつながっているので
嫌な人が頭から離れないときには
呼吸が速くなり筋肉が緊張するといった
身体反応に表れます。
逆に、ゆっくり呼吸をして
筋肉の緊張を緩める作業をすると
心の状態も落ち着いてきます。
ですから心にアプローチするのではなく
身体からアプローチすることで
心に影響を及ぼそうとする考え方です。
これは
「幸せだから笑うのではない、
笑うから幸せになる」という考え方と
同じです。
身体から入って
心にアプローチするという方法も
とても有効であり、
心療内科ではバイオフィードバック療法が
その考え方に基づいて行なわれる
治療法の代表です。
最後は「言語化テクニック」です。
モヤモヤした不安や緊張を
具体的な言葉にしてみるという方法です。
2番目の書き出しテクニックと似ていますが
こちらは感情を客観視することで
自分の考え方に変化がもたらされることを
期待しています。
具体的には、
不安や緊張の程度を10段階で表現したり、
その感情に「フーちゃん」とか
「キンチョ君」といった名前をつけ、
「彼を見るといつもフーちゃんが出てくる」
といった具合に言語化するのです。
これはナラティブ・セラピーにおける
「外在化」というテクニックです。
私も時々使いますし、
感情に名前をつけて客観化することで
感情に巻き込まれずに
その感情を冷静に見つめることができるので
とても有用な方法だと思っています。
この7つの方法は、
不安や緊張、イライラといった
不快な感情を伴う状況にあるときであれば
どんな場合でも使えます。
皆さんも試してみてはいかがでしょうか。