ブログ:マニュアル嫌いのひとり言

先日、1歳の孫を含めた家族5人で
コンサートを聴きに行ってきました。

コンサートと言っても、
「0歳児からの
“光と映像で楽しむオーケストラ”」です。

「だいすけお兄さん」とやらも
出てきていましたが、
私は全く知らない人でした。

小さな子どもたちのための
コンサートですので、
当然、子連れの家族で一杯です。

幼稚園児くらいが一番多かった気がしますが
赤ちゃんや1歳、2歳の子も
少なからずいました。

ここにはクラシック音楽を聴きに
しばしば来るので
私にとっても馴染みのある場所です。

コンサートが始まる5分前になると
いつものように開始前の放送が流れました。

通常のコンサートであれば
小さな音も迷惑になるので、
携帯電話や音の鳴る機器の電源は
あらかじめお切り下さいとった
アナウンスが流れるのは当然です。

ところが今回は、
子どもが中心のコンサートであり、
始まる前はもちろんのこと、始まってからも
会場のあちこちで
子どもの泣き声が聞こえるような状況です。

当然、「だいすけお兄さん」も
みんなを楽しませようと、
子どもたちと一緒になって
ワイワイしていました。

そんな雰囲気ですので、
5分前のいつも通りのアナウンスに
とても違和感を覚えました。

小さな物音でも
周りのお客さんの迷惑になるので
気をつけて下さいなどという放送は
全く不要だと思うのです。

そもそもこの状況で
そんなこと不可能ですし、
今回はそんなことを
求めてもいないと思います。

もっとも、これもマニュアル通りに
しているのでしょうから、
あれこれ言っても仕方ないですが、
このようなコンサートのときくらいは
もう少し考えてもらっても
よいのではと思ってしまいました。

マニュアルに従うのも通常は必要ですが、
やはり状況に応じて
臨機応変に対応してもらいたいものです。

以前、奈良で飲んだ後、京都まで
近鉄特急で帰ったことがありました。

電車に乗り込み指定席に座ると、
いつもの車内アナウンスが流れていました。

携帯電話の使用は
近くのお客さんの迷惑になるので
電源をお切りになるか、
デッキでおかけ下さい、
といった内容だったと思います。

確かに聞こえてはいましたが
さほど気にもなりませんでした。

電車が走り始めたところで、
駅まで迎えに来てもらおうと、
座席に座ったまま家に電話をかけました。

少し酔っていたこともあり、
また隣にも人はいなかったので、
何のためらいもありませんでした。

するとそこにたまたま
車掌さんが入ってきました。

私が携帯で話をしているのを見て
「周りのお客様の迷惑になりますので
電話はデッキでお願いします」と
言われてしまいました。

注意されるのは当然です。

私も、すぐさま「すみません」と謝り、
手短に要件を伝え電話を切りました。

そのとき、周りにどれくらいの人がいるか
確認しようと思って、
席から少し立ち上がり
周りを見回してみました。

すると、その車両には私以外、
誰も乗っていないではないですか!

一気に酔いが覚めてしました。

まあ、ルールと言われればそれまでですが、
これまたマニュアル通りの対応であり、
臨機応変に対応できない
典型例だと思いまいた。

仕事ができない人には、
言ったことができない人と、
言ったことしかできない人がいます。

臨機応変に対応できない人は
言ったことしかできない人なのでしょう。

医療現場でもたくさんのマニュアルがあり、
すべてに目を通している人など
一人もいないと思います。

でも、マニュアルがないと
スムーズにことが進まないというのも
事実です。

ただし、「?」と思うようなマニュアルも
あります。

医療現場では、コロナがインフルエンザと同じ
5類になって2年が経過したというのに
いまだにコロナに敏感です。

先日も新たなマニュアルが出てきたのですが、
救急患者が集中治療室に入室するばあい、
必ずコロナに感染しているか否かを
検査してください、というものでした。

裏を返せばインフルエンザの検査は
しなくてもいいですよという意味です。

いまはコロナもインフルエンザも
通常の風邪もすべて同じ扱いの5類です。

風邪を5類にこっそり格上げされたのは
将来、風邪のワクチンを売り出すための
準備だと思われますが、
今回はその話は置いておきます。

でも、感染が広がることを
心配しているのであれば、
コロナだけではなくインフルエンザも
するべきだと思うのですが、
なぜかコロナだけなのです。

一度マニュアル化されてしまうと、
もうそれに従うべきだと思ってしまい、
おかしいなと思っても、
それ以上考えなくなってしまう
思考停止状態に陥る傾向にあります。

マニュアルも必要だと思いますが、
状況に応じて臨機応変に対応したり、
このマニュアルは本当に正しいのだろうかと
疑問を持つことも必要ではないかと
思うのですが…

マニュアル嫌いのひとり言でした。

ブログ:マニュアル嫌いのひとり言” に対して2件のコメントがあります。

  1. 山田 より:

    ご無沙汰しております。
    セミナーになかなか参加できず、また、この春から半分失業状態のため、さらにセミナーが遠のいてしまっておりますので、このブログが先生からの、唯一の学びの窓口になっております。
    前々回から今回までの流れについて、興味深く拝読しました。

    言葉=「形(”マニュアル”も含む)」と、それでは伝えきれない「感覚・ニュアンス」の間をどう埋めるかは、聞く(理解する)時も、話す(伝える)時も、本当に繊細なことですが、それゆえ、うまくつながった時は、互いに思いもよらない感動で結ばれることもあるよ、と感じることもしばしば経験します。
    自分は言葉のセレクトに、ものすごくこだわりがあるので、これからもいろいろ考えてみたいなと思いました。

  2. holicommu より:

    山田さんへ
     コメントありがとうございました。言語化の話を理解して頂けただけで私としても嬉しく思います。
     また、機会がありましたらセミナーの方にも是非おいで下さい。お待ちしております。

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