ブログ:世界を動かしているのは誰?
皆さんはダボス会議という名前を
聞いたことがあるでしょうか。
「世界経済フォーラム」のことであり、
毎年、スイスのダボスで
年次総会が開催されていることから
通称、ダボス会議と呼ばれています。
今年も1月20日から始まっており、
130以上の国と地域から
政財界のトップや政治家、学者など、
その分野のリーダーたち3,000人以上が
参加しています。
もちろん日本も関与していますし
外務省のHPを見れば
安部元首相は総会でスピーチもしています。
→世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)|外務省
世界経済フォーラムは
1971年に経済学者クラウス・シュワブにより
設立された「非営利財団」です。
毎年、国際紛争や環境問題、
経済発展など200以上のテーマについて
話し合いがされています。
この組織は「非営利財団」であり、
ここで何か国際的な決め事を
するわけでもありません。
それなのになぜダボス会議は
こんなにも注目を集めるのでしょうか。
それは、
政治や済界などの分野において
世界に大きな影響力を持つ人たちが
各国から集まっており、
ここで議論された内容は
世界全体に影響を及ぼすからです。
実は、参加者の多くが
権力や富を持っている人たちです。
もちろん、研究者や活動家など、
市民組織から招待された人たちもいますが、
それは全体の5%程度にすぎません。
ある分析によれば、
2020年のダボス会議参加者のうち、
各国の大統領や大臣といった政府関係者や
企業のCEOなどが
86%を占めていたとのことです。
また富裕層の人も多く、
10億米ドル(1600億円)相当以上の
資産を持つ人だけでも
約120人もの人が出席していました。
ダボス会議は、
主に富裕層と権力者による
話し合いの場であり、
だからこそ世界の経済を動かし、
各国の政策にも大きな影響を
与えることができるのです。
ダボス会議の運営は、
世界のグローバル企業により
支えられています。
例えば1社当たり
年間約125,000ドル(約2,000万円)を
支払う企業が100社おり、
さらに年間34,000ドル(530万円)を
支払う企業も1,000社以上います。
これらの企業はダボス会議に
参加する権利を有していますが、
その際にも参加費を
48,000ドル(750万円)支払う必要があります。
このような世界的な大手企業が
ダボス会議で話しあうことは、
自分らの都合のよい方向の話になるのは
ごく当然のことです。
つまりここで話し合いは、
大半を占める裕福層や権力者の
意向が反映される傾向にあり、
必ずしも世界全体の意見が
反映されているものではないというのが
以前から大きな問題になっていました。
なぜならば、
そこで話し合われたことが
トップダウンの形で各国に下ろされ、
各々がその実現に向かって
動くようになるからです。
ダボス会議に参加しているのは、
各国の首脳や大臣、
大企業のトップらですので、
それを国の政策に反映させようと思えば
できてしまう立場の人たちなのです。
ここに集う裕福層や権力者は、
ブローバル全体主義を推進していこうという
共通の思いを持っています。
つまり、民主的に選ばれた人ではなく、
お金を持っている人と
お金を動かせる人が集まりであり、
その人たちの意向を
世界に反映させようという意図が
ダボス会議にはあります。
このフォーラムで提案された政策に
則った企業活動をすれば、
企業としては投資家から
投資が受けられるようになるのです。
太陽光発電で使われるソーラーパネルや
ワクチンの開発といったものは
その典型的なものです。
ここに集まる人たちは
プライベートとジェットに乗って
世界中から飛んできて
1泊30万~40万というホテルに
泊まるような人ばかりです。
そんな人たちが環境問題についても
語り合っているのです。
2023年の1週間のダボス会議期間中に
現地の空港を発着した
プライベートジェットは1040機で、
これらの運航に伴う二酸化炭素排出量は
自動車35万台の排出量に相当するといいます。
要するにダボス会議は
「今だけ金だけ自分だけ」の精神で、
いかに裕福な人たちが
より裕福になれるためにはどうすべきか、
その対策を打ち出すための場なのです。
ここに集まる人たちの多くは、
利害関係を同じくした人たちであり、
本来なら、その人たちが決めたことに
世界が従う必要など全くなく、
もちろん強制力もないはずです。
ところが実際には、
ここで打ち出された方針や対策は
権力とお金に物を言わせ、
各国の国家戦略に
落とし込まれていくのです。
世界が進むべき方向や対策を
一部の人たちが勝手に決め、
それに従った方向で進んでいかないと
世界から置いてきぼりになるというのは
どうしても納得できません。
本来であれば、
それぞれの国の考えや民意が
あるわけですから、
その意向を大切にしながら、
民主的なプロセスを経て
問題解決をしていくというのが
本来の姿です。
それなのに、どうして
裕福層や権力者が敷いたレールの上を
歩かされないといけないのでしょうか。
富裕層や権力者の都合のよいように
世界を変えるための場が
ダボス会議になってしまっていることに
私は甚だ怒りを感じています。