ブログ:誰もが嘘をついている
私たちは日常において
思っていることと、
実際に語っていることが
正反対であったりすることが
しばしばあります。
人種差別は反対です!と言っておきながら、
心の中では黒人は犯罪率が高いので
怖いと思っていたりするものです。
SNSでも、自分をよく見せようとして
ハッピーですと書いておきながら、
実際には落ち込んでいたり、
人間関係に悩んでいたりします。
さらにアンケート調査での回答も
あまり信用できません。
特に恥ずかしいことや
本当のことが言いにくいことなどは
つい過少申告してしまうものです。
例えば、
試験でカンニングをしたことがありますか?
誰かを殺す妄想に耽ったことはありますか?
といった質問です。
これらの質問には、
実際にはそのような経験があっても
「ない」と答えてしまう傾向にあります。
では、人々の本当の思いを知ることは
できないのでしょうか。
実は人の本音を知ることはできます。
それがビッグデータなのです。
皆さんがグーグルで検索していることを
調査、分析してみると、
人々がどのようなことを思っているのかが
よくわかるというのです。
そのことについて詳しく書かれた本が
「誰もが嘘をついている~ビッグデータ分析が
暴く人間のヤバい本性」(光文社)です。
この本を読んでみると多くの人が、
あまり人には言えないようなことを考え、
妄想していることがよくわかります。
特に米国人の大多数は、
グーグルに非常に個人的なことを
問いかけてます。
例えば米国では
「天気」よりも「ポルノ」の検索の方が
はるかに多いのですが、
世論調査では男性の25%、女性の8%しか
ポルノ観賞を認めていません。
また妻が夫をゲイではないかと
疑うことも案外多いこともわかっています。
実際、「私の夫はゲイか?」の検索は
「浮気している?」よりも10%多く、
「アルコール依存症?」よりも8倍、
「鬱(うつ)?」よりも10倍も多いのです。
このデータが日本でも当てはまるかは
わかりませんが、
世の妻たちは夫のことを本心では
いろいろと疑っていることがわかります。
他にも、伴侶がセックスに
応じてくれないという文句は、
会話に応じてくれないという文句よりも
16倍も多く存在しています。
また未婚のカップルの場合でも
相手がメールに返事を
くれないという文句よりも、
セックスに応じてくれないという文句の方が
5.5倍も多いのです。
さらに世の男性は身体のどの部分よりも
性器についてググっており、
オムレツの焼き方や
タイヤの交換法を調べるよりも、
ペニス増大法について調べています。
なお男性がする、
男性器についての検索のトップは
「私のペニスの大きさは?」です。
もっとも女性は
相手のペニスの大きさには
さほど興味がないようで、
検索件数は男性の170分の1です。
また男性の性関連検索で
2番目に多いのは
どうやって性交時間を延ばすかですが、
女性の場合は、
彼をどうやって早くイカせるかと、
どうやってもっと長く保たせるかが
同じ程度で検索されています。
実は、著者はこの本のタイトルを
当初「僕のペニスの大きさは?
~グーグル検索が教える人間の本質」に
したかったようです。
ところが編集者が、
それじゃ空港の書店で
人が買うのをためらうから売れないと言われ
あえなく没になったとのことでした。
人は、性関連の話には最も興味がありながら
普段の会話ではなかなか語りにくい
話題のひとつです。
だからこそ、
夜に一人でこっそりとググったり、
たずねたりするのでしょうね。
もちろん、グーグルで検索されるのは
性関連の話ばかりではありません。
例えば、
アメリカでは中絶を制限する法律が
存在する州もありますが、
そのような州では、
非合法な中絶手段が
最も多く検索されています。
またデータを絞り込むことにより
他とデータと比較検討が可能であり、
それにより見えてきたことも
たくさんありました。
例えば貧しい家庭に生まれ育った人が
豊かになる可能性は
7.5%というデータがあります。
しかしこれを地域別で調べてみると
カリフォルニア州サンノゼが
12.9%であるのに対して、
ノースカロライナ州シャーロットは
4.4%でした。
つまり
家庭に生まれ育った人が豊かになる可能性は
地域差があるということです。
他にも長生きできる地域はどこかとか、
脱税しやすい人はどんな人か、
有名人になりやすい地域はどこか、など
興味深いデータがたくさんあります。
さすがにブログに書くのは
はばかられる話もたくさん載っていますので
興味のある方はぜひ
「誰もが嘘をついている」を
読んでみてください。
十分に楽しめますよ。