ブログ:漠然とした問題への対処

現在、ホリスティック
コミュニケーション実践セミナーを
開催していますが、
そこでは参加者が実際に悩んでいる問題を
出してもらい、
その解決に向けての対応を
デモやワークという形で行なっています。

悩み事は多種多様であり、
簡単なものから深刻なものまで
いろいろです。

また、今直面している問題もあれば、
将来に対する漠然とした不安というのも
あります。

これらの問題の解決を考える際、
それならできると思える
「小さな行動」をうまく引き出すことが
基本となります。

ところが、
将来に対する漠然とした悩みの場合、
問題がはっきりしていないので、
具体的な行動を引き出すことが
できないことがしばしばです。

そんな場合は、少し視点を変えた
アプローチが必要になってきます。

それが
「悩みがすべてなくなったならば」
という前提で考えてもらうという
アプローチの仕方です。

人は、家族のことや仕事のこと、
経済的なことや健康のことなど
どれもこれも一筋縄ではいかない問題に
日々追われていたりすると、
将来のことを考える余裕など
なくなってしまうのです。

こうなると、
いつまでも現状への対応に追われ、
気づいたら
10年、20年経っていたということが
しばしばです。

そうならないためにも
今から将来どうするべきなのかを
ある程度考えておく必要があります。

そのときに重要になってくるのが
「もし今の問題がすべてなくなったら」という
前提で考えてみることです。

なぜならば、
現在の問題に意識を向けている限り、
それに引きずられてしまい、
いつまで経っても将来のことなど
考えられないからです。

ですから先ずは
「問題がなくなった」ことを
前提に考える必要があるのです。

なお、
問題がなくなった状態を強調するために
お金、時間、健康などすべてにおいて
全く自由になったとしたならばという前提で
考えてもらうこともしばしばです。

この言い方だと制限するものがなくなるので
より自由にイメージを
膨らませることができます。

今回、ワークの中で
クライエントにこの質問を投げかけたところ、
「バーテンダーになる」という言葉が
出てきてびっくりしました。

本人自身もその意外な答えに
少しびっくりしていたようですが、
これはすべて潜在意識の中にあった
答えだと言えます。

実際にバーテンダーになるか否かは別にして
彼は人とかかわり、
悩みに乗ってあげたりするのが
性に合っているようで、
バーテンダーの仕事であれば、
その思いも満たされると感じたのでしょう。

実際にバーテンダーになろうと思えば、
勉強したり時間を確保したり、
家族に理解を求めたり、
様々なハードルがあるので
そう簡単ではありません。

でも、バーテンダーということを
思いつくことで、
やはり自分は人とのかかわりを
大切にしたいんだなという思いに
気づいたならば、
今度はバーテンダー以外で、
何がその思いを実現できるかを
考えられるようになります。

そんなことを何回か繰り返していくうちに
今のような様々な問題を抱えながらも、
人とのかかわりを大切にして
自分の思いをある程度満たせるものに
たどり着けるかもしれません。

このように、
将来何をしたいのかといった
漠然とした思いに関しては
自分でもよくわからないのが普通ですが、
一度すべての制限を取り除いて考えてみると
以外のそのヒントがみつかるものです。

もっとも、創造力を働かせて
未来のことにイメージを膨らませるのは
なかなか難しいところがあります。

夢や希望を持っている
ビジネスマンや起業家であれば
いろいろと将来への思いを
巡らすことができるかもしれません。

しかし、
日常における様々な問題を抱えている
ごく普通の人が
自分の夢をイメージするというのは
なかなかエネルギーがいりますし、
そう簡単にはできないのです。

実際、心療内科の患者さんに対して
似たようなことを
していた時期がありましたが、
ほとんどうまくいきませんでした。

なぜならば、患者さんには
目の前の問題で頭がいっぱいであり、
「問題がすべてなくなった」という
非現実的な状況をイメージすることが
できないのです。

そのため心療内科時の患者さんに
このアプローチを使うことは
早々にやめてしまいました。

でも、セミナーを受講している人は
基本的に健全な人であり、
またエネルギーもある人ばかりなので
この方法がうまくいく人も
少なくありません。

将来に対する漠然とした不安がある方は
一度試してみてはいかがでしょうか。

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