ブログ:締め切り効果
前回お話しした
コミュニケーション医学の講演の準備は
かなり一生懸命やりました。
本当は2週間前くらいから
全体構想を練ったり
スライドを作成する予定でしたが、
いつものように切羽詰まらないと
なかなかやる気になれない私は
準備を先延ばししていました。
特に今回は台風が接近してきており、
9月7~8日に予定していた私のセミナーが
開催できなくなる可能性が
高くなっていました。
そうであれば、
その時間を利用して講演の準備をすればいいと
高をくくっていたのですが、
台風の影響はほとんどなく、
何の問題もなくセミナーを開催することが
できてしまったのです。
つまり、この二日間は
講演の準備が全くできませんでした。
そのため月曜日から少々焦り気味で
準備を始めざるを得なくなりました。
もちろん、本来の仕事もあるので
病棟や外来の患者さんを診る一方で、
合間の時間をすべて準備につぎ込みました。
前日の土曜日は丸々休みでしたので、
その日は1日中、病院にこもって
スライド作成等に勤しんでいました。
本番は午後からだったので、
当日も午前10時頃まで病院にこもり、
ギリギリまで準備をしていました。
実を言うと、土曜日の段階では
先日お話しした
「心の治癒力」と「認知バイアス」が
今ひとつつながっていませんでした。
いくら考えてもしっくりこなかったのですが、
当日の朝にいつものようにジムに行き、
走っていると、
ふとアイデアが浮かんできたのです!
こういうことはしばしばあります。
歩いたり走ったりしている最中は、
潜在的に蓄積されているアイデアが
結びつきやすくなるのです。
そこで早速病院にもどり、
心の治癒力と認知バイアスをまとめた
スライドを作成しました。
こうしてスライドも作成でき、
当日の講演を無事終えることができました。
この1週間を振り返ると
毎日が本当に充実していました。
集中してやるべきことがあるというのは
とても大切なことだと
再認識させられました。
私は普段から午後6時30分には仕事を終え、
家に帰ると決めているので、
この間も6時半まで準備作業をし、
あとは家で晩酌をしながらゆっくりと過ごし
9時には寝るという生活を続けていました。
今回の講演の準備も
時間に余裕がないせいで
逆に集中力が向上し、
準備がはかどりました。
毎日、午後6時30分までという締め切りと
当日の朝10時までという締め切りが
大いに集中力を高めてくれました。
これが「締め切り効果」です。
よく試験勉強など、
やらないといけないことがありながら、
ダラダラ過ごしてしまい、
本番が近づいてくると、やばい!と思い
本気モードになるというのは
誰もが経験していると思います。
もう少し余裕を持って
試験勉強をしていればと
後悔することもよくありましたが、
実は、これは無意識が行なっている
先延ばしであり、
「生産的先延ばし」と言われています。
無意識は先延ばしの限界を知っており、
これ以上ダラダラしていたら
やばいというところまで
あえて自分を追い込むことで、
最大の集中力を発揮させようとするのです。
その方が余裕を持って取り組むよりも
集中力が高まり
よい仕事ができるというわけです。
まあ、言い訳にしか
聞こえないかもしれませんが、
私はこれが真実だと思っています。
ただし、その一方で
今回のことで犠牲になったこともあります。
それが俳句作りです。
実は今年の1月から俳句を作り始めました。
昔から私は感性に乏しい人間だと思っており
もう少し感性豊かになりたいという思いが
ありました。
そんな折、プレバドを見るようになり、
夏井いつき先生の講演を聴き、
本も読んだりしているうちに
自分の感性を磨くためにも
俳句を作ってみようと思い立ちました。
これを習慣化し、
週4日、病院の駐車場から病院までの
約10分の道のりを歩いている間に
俳句を一句作ることにしました。
下手な俳句ですが、
100句近く作ることができました。
ところが今回の講演の準備に際し、
朝の歩く時間ももったいないと思い、
この週だけ俳句作りをやめ
講演内容を考える時間にしたのです。
ところが講演が終わり、
また俳句を作る余裕ができたのに
どうしても再開する気になれません。
習慣は一度やめてしまうと
再開が難しいというのは
十分に理解していましたが、
やはりそうなってしまいました。
俳句は「やらねばならない」という思いで
やっているところがあったため
そういうものは一度切れると
続かなくなるものですね。
まあ、こちらはいったんお休みとして
またその気になったら再開するとします。