ブログ：誕生日

今日はたまたま私の誕生日です。
なんと65歳になり、
高齢者の仲間入りをしてしまいました！

先日、老齢年金の通知が来たと思ったら
今度は介護保険証も届きました。

最初は何これ？
両親とも亡くなっているのにと
不思議に思いながら封を開けると、
なんと私自身の介護保険のお知らせでした。

自分が高齢者と呼ばれる年齢に
なったという自覚は全くなかったのですが、
こういう現実を突きつけられると、
嫌でも高齢者になったんだと
自覚せざるを得ません。

そうは言いながらもここ何年かは
老化を意識せざるを得ないことが
いくつもありました。

あるとき鏡を見ると、
額にシワがあることに気づきましたし、
その後、首の皮膚がたるんでいるのも
発見してしまいました。

それまでは全く気づかなかったし、
意識もしていなかったのですが、
一度気づくと今度は毎朝鏡を見る度に
気になるようになってしまいました。

以来、病棟のナースの顔を見ると
額に目が行くようになり、
この子はまだ若いからシワがないなあとか、
そんな風に見るように
なってしまったのです。

よくテレビや新聞広告で
「シワが気になる方へ」といった
化粧品の宣伝を目にしていましたが、
それまでは全くの他人事でしたが、
最近はなぜか吸い込まれるように
見ている自分がいます。

と言っても化粧品を買うつもりも
使うつもりもないんですけど。

また1970年代に
10代、20代だったアイドル歌手が
時々、テレビで見かけることがあるのですが、
みんなおばさんになったな～と
しみじみと感じてしまうのです。

あんなにきれいでかわいかったのに、
今はごく普通のおばさんに
なっているのを見ると、
50年も経つと人はみんな
年寄りになるんだなという当然の事実を
ひしひしと感じてしまいます。

自分の顔の変化は
鏡を見ない限りわからないし、
また少しずつ変化しているので
年を取ったことを認識しづらいのですが、
知人としばらくぶりに会ったりすると
明らかにその違いはわかります。

そうなんです、みんな年を取るんです。

先日も大阪で
岩崎宏美のコンサートがあったので
行ってきました。

高校時代からファンで、
今でもウォークマンに曲が入っており
新幹線の中で聞いたりしています。

300席くらいの、
注文した料理やお酒を楽しみながら
歌が聴ける小さな会場でした。

まあ、岩崎宏美ももう65歳ですし、
当然おばさんになっていました。

もっとも少し遠い席だったので、
しげしげと顔を見ることは
できませんでしたが。

それよりももっと驚いたのが
会場の来ているファンの方々です。

女性もたくさんいましたが
やはり男性が多く、
その人たちの頭がみんなハゲているのです！

なんか、年寄りばっかりが
来ているんだと思うと同時に、
自分もその一人であることに気づき
ショックを受けました。

そうなのです！
私の視野に入っているお年寄り集団は
多分自分と同じくらいの年齢なのです！

自分のことはよく見えませんが、
他人のことはよく見えるということを
再認識させらた次第です。

また数ヶ月前には膝が痛くなるという
経験もしました。

前日からおかしいなとは思っていたのですが
その日は椅子から立ち上がったり、
膝を曲げたりするときにすごく痛く、
「痛てて！」と叫びながら動いていました。

膝が痛いことを妻に伝えると
笑われてしまいました。

子供たちも同様に笑っていたので、
「お父さんもじいさんになったね」と
多分言いたかったんだろうと推察します。

幸い膝の痛みは一時的なものだったようで
1週間くらいしたら治りました。
よかったです。

老化に意識が向くようになると
自ずとその先にある「死」についても
考えるようになります。

緩和ケア病棟で毎日のように
患者さんの死を見ている私ですので、
死はごくありふれた身近なものです。

ただしこの死はあくまでも
第三者の死であり、
以前は自分の死と重ねて考えることは
あまりありませんでした。

ところが数年前に母親を看取った頃から
死を実際のものとしてとらえるように
なってきました。

自分もいつか死ぬというのは
頭ではわかっていましたが
実感は伴いませんでした。

でも今はそれが近い将来、
自分にも死が訪れるんだという感覚が
出てきたのです。

孫に会う度に、
この子が二十歳になった姿を
見ることができるのだろうかと
しみじみと感じてしまいます。

でもれは悪いことではありません。
元気なうちから死を想う、
「メメント・モリ」です。

短くなってきた残りの人生を
どのように使うのか、
それまでに何をするのか、
そんなことを考える時期なのです。

65歳の誕生日を迎えるにあたり
そんなことを考えながら
このブログを書いています。