ブログ:北海道の旅①~水泡編
毎年恒例の嫁さんとの
三泊四日の旅行に行ってきました。
今年はまだ行ったことがない
山形にでも行こうと決めていました。
例年は6月上旬あたりに行くのですが、
今年は多くの予定が入っていたため
6月下旬にせざるをえませんでした。
嫁さんにはとりあえず日程だけを伝え、
その日をキープしてもらいました。
すると
「わざわざ梅雨の時期に行くのね」と、
グサッと突き刺さる一言。
瞬間、やばいと思いましたが、
そんなことはおくびにも出さず、
梅雨のことは百も承知の上での決定だと
言わんばかりに、
「そう」と答えると「ふーん」という返事、
必要最小限の会話でこの場は終了。
その後、これはまずいと考え直し、
結局、山形行きはやめ
北海道のまだ行ったことのないところに
行くことにしました。
あれこれ考えた末、
函館~洞爺湖~富良野・美瑛で
計画はまとまりました。
毎回、そうですが
とりあえず、初日に行くところは
事前に嫁さんにも伝えるのですが、
それ以降の予定は興味があれば
聞いてくるだろうから、
こちらからはあえて言いません。
具体的な行く場所を伝えるのは
出発後の新幹線の中というのが
例年のパターンなので
今年もそう思っていました。
と、と、ところがです!
今年は何と、出発二日前の夜に
今年はどこに行くの?と聞かれたのです!
こんなに早く?から
旅行に興味を示してくれたのは
初めてではないでしょうか。
いや~今年は例年になく
やる気を感じました。
それにつられ私も気合いが入ったせいか、
いつも当日の朝にしていた準備を
前日の夜までにすべて
すませてしまいました!
当日の朝(月曜日)は、
早めに病院に行き、
回診等をすべてすませ、
8時半には携帯の電源を切り、
病院を後にしました。
いよいよパソコンも携帯電話もない
北海道旅行の始まりです!
例年、出発するまでに
つまらないことで
一悶着あるのがお決まりでしたが、
今回はそれもなく完璧な滑り出しでした。
米原から新幹線に乗り、
東京までの2時間少々の時間を使って、
本日の行動予定を完璧に作り上げました。
17時には函館のホテルにチェックイン、
その後五稜郭タワーに登り
ここからの函館の夜景を楽しむ。
日の入りが19時16分なので
19時前に箱館山に登り、
日没前後の100万ドルの夜景を楽しむ。
その後20時頃からは
ホテル近くにある新鮮な魚介類が堪能できる
居酒屋に行って函館の夜を満喫する。
そんな予定を立てました。
12時20分の新幹線「はやぶさ」に乗り、
東京駅で買ったお弁当とビールで
空腹を満たしました。
今回も昨年に続き、
グランクラスでの旅です。
座り心地も快適ですが、
何と言っても最高なのは
お酒やつまみなどがすべて無料で
飲み放題、食べ放題のことです。
そのためビールや赤ワイン、白ワイン、
最後はコニャックと、
ずっと飲んでいました。
もちろん、
つまみや軽食も食べながらですので、
気分は最高です!
終点の新函館北斗までは
4時間10分の旅ですので、
長時間にわたりかなり気分よく飲めました。
隣の嫁さんはと言うと、
ずっとスマホを見ていると思いきや、
いつの間にか寝ており、
相変わらず景色を楽しむことには
興味がないようでした。
普段は一人で過ごすのが好きなのですが、
お酒を飲んで気分がよくなると、
つい他人と話しをしたくなるクセがあります。
そのせいか、
コニャック(小瓶)を2本空けたところで
通路を挟んで座っていた隣の
おじさんに話しかけてみました。
この人もずっと酒を注文し飲んでいたので、
よく飲むなあと思っていたのです。
(他人のことはよく見えるのです)
かつ、私たちの前の座席に座っていた
妻と娘と思われる二人に、
立ち上がって時々声をかけに行くのですが、
すべて軽くあしらわれ、
寂しげに座席に戻っていくのです。
そんな光景を何度か目にし、
男は哀れな生き物だなあ~と
同情の念を禁じ得ませんでした。
そんなこともあってか親しみを感じ、
最後の一時間くらいは、
いろいろな話しで
盛り上がっていました‥と言うか、
正確に言うと、
盛り上がっていたと思います、です。
ふと気づくと、ホテルで寝ており、
すでに夜の11時頃でした。
次の日に嫁さんに詳細を聞いてみると、
おじさんと飲みながら盛り上がり
(おじさんは迷惑そうだったようです)、
降りる頃には完全に泥酔していたようです。
それでも新函館北斗駅から
普通列車に乗り換えて函館まで行き、
予約していた駅前のホテルも
私の手帳を見て確認し、
すぐにチェックインできたようです。
その後私はベッドに転がり込むなり、
バタンキューとのことでした。
2時間くらい寝かせておけば
何とかなるかと思ったようで、
嫁さんは一人で函館の街を
探索していたようです。
19時にホテルに戻ってきても、
私は全く目を覚ます気配がなく、
結局そのまま一人で
居酒屋に飲みに行ったとのことでした。
女性一人で飲んでいたせいか、
近くの老夫婦が声をかけてくれたようで
そのまま話しが盛り上がり
2時間くらい楽しく飲んでいたようです。
私はと言えば、
その日の函館で残っている唯一記憶は
「今何時?」「11時」という会話だけです。
結局、2時間もかけて綿密に立てた
完璧なまでの計画は
夢想だにせぬ事態により
水泡に帰してしまったのです。
五稜郭タワーや箱館山からの夜景、
そして一番楽しみにしていた
海鮮居酒屋での夕食のすべてが‥です。
人生初の函館の旅は、
こうしてむなしく終わりを告げました。
(続く)