ブログ:ビール1本、1,250円!
前回の合同大会の話しの続きです。
午前中のパネルディスカッションで
田代先生の話を聞き終えた後、
本当は三ノ宮まで出て、
そこで軽く昼のみをするつもりでした。
しかしそれだと、
午後のセッションが始まる時間に
間に合わないと判断し、
会場であるボートピアホテル内にあるお店で
昼のみをすることにしました。
そこで以前より目をつけていた
「おでん屋さん」に行きました。
おでんを少々とビールくらいと
思っていたのですが、
一番安いこんにゃくや大根でも
1個450円もするではないですか!
これはちょっとと思い、
結局おでん定食のご飯なしを注文しました。
こちらはおでん5品と
小鉢やお新香、味噌汁がついて
2300円でした。
ただし、メインのビールが
何と1本1,250円もするではないですか!
普通の500mlのキリンラガーが、です!
生ビールも同じ値段でした。
まさかビールを飲まないわけにもいかず、
高価なビールをチビチビと味わいながら
おでんを食べさせて頂きました。
でもやはり1本では足りず、
結局ビール2本、
合計2,500円を飲んでしまいました。
日本酒も1杯くらいと思いきや、
一番安い日本酒でも1,400円だったので
これは断念しました。
ちょうどよい気分になった勢いで、
午後の「ケミカルコーピング」の
事例検討会に参加しました。
ケミカルコーピングとは、
モルヒネなどの医療用麻薬(オピオイド)の
不適切な使用のことを言います。
通常の鎮痛剤は1日3回までといった
回数制限がありますが、
オピオイドにはそれがありません。
一般的に1時間以上空ければ
1日何回でも飲んでも
かまわないことになっています。
もちろん痛みがあるときに
鎮痛剤としてオピオイドを服用するのが
本来の使い方です。
ところが中には、
気分や不安感の軽減といった目的で
使用される場合も少なくありません。
もちろん患者さんも
最初からその意図で
内服を希望するわけではありません。
痛みがまた来そうだから
早めに飲んでおこうとか、
ちょっと痛いかなと思ったくらいで
すぐに飲むといったことを
繰り返しているうちに、
段々の精神的な安らぎが快感となり、
知らず知らずのうちにオピオイドを
安易に飲むようになってしまうのです。
そのため、
定期的に飲んでいるオピオイドを増やしても
レスキュー(頓服)の回数が減らなかったり、
穏やかな表情で、
痛いから薬が欲しいと訴え続ける場合には、
ケミカルコーピングを疑います。
今回、呈示された症例では、
そんな患者に対して
言われるままに安易に
レスキューを処方する主治医、
そのような主治医の対応に不満を抱く
ナースらが登場していました。
このような場合、
どうのように考えるのか、
どう対応したらよいのかということを
検討するのがこの会の趣旨です。
もちろん私も
それなりの思いや考えを持っていますが、
恥ずかしがり屋で内向的な私は
人前で意見を述べたり質問したりすることは
ほとんどしません、と言うかできないのです。
ところが今回は、
適度に酔いが回っていたせいか、
さほど抵抗もなく手を挙げ、
自分の意見を述べることができました。
患者さんは、とにかく薬が欲しいのです。
それを我慢しろとか、飲み過ぎだと言っても
通用しないことがしばしばです。
そんなことを言えば、
かえって関係性が悪くなり、
よりひどくなる可能性が高まります。
ですから、
私は1回に渡すオピオイドの量を
極端に少なくするか、
もしくはプラシーボ(薬効のないもの)に
代えて処方する方がいいと発言しました。
ケミカルコーピングの場合は、
これでも十分に効いてしまうのです。
そうすれば患者さんは薬を飲み続けられ、
医者も気軽に薬(プラシーボなど)を出せるし、
それならばナースの不満も減るだろうし、
よい対応だと思うのです。
実際、うちの緩和ケア病棟でも
同じような患者さんは時々いるので、
その場合はそのような対応をしています。
ところが、
私の後に発言した5~6人の人たちは、
みんな患者、主治医、ナースとの関係性や
患者さんやナースの心のケアが必要だという
話しに終始していました。
それはそうでしょうが、
私からするとケミカルコーピングへの
直接的な対応の意見ではなく、
たんに心理的な解釈を
述べているだけのように思えました。
私はどうしても、
問題を解決するには
どうしたらいいのかということに
目が向いてしまい、
スタッフ同士のケアが大切などという、
ありきたりで表面的で、
なんら具体性のない話しに終始することには
はなはだ物足りなさを感じてしまうのです。
それはそうと、
今回は久しぶりに発言ができたので
満足感はあったので
よしとしましょう。
やはり2,500円分のビールを
飲んだだけの価値はありました。