ブログ:マインドセットを変える②
前回は、
睡眠、読書、運動、自然との触れあいで
マインドセットは変えることが
できるという話しをしました。
今回はその続きで
「お金の使い方」や「人に与えること」でも
マインドセットに変化をもたらすことが
できるという話しです。
誰もがお金が欲しいと思いますし、
お金があるに越したことはありません。
しかしお金はたくさんあればあるほど
幸せかというと
そういうわけでもありません。
もちろん貧困で苦しんでいる人の場合は、
当然お金が増えることで幸福感は増します。
しかし年収が800万円を超えると
それ以上に幸福感が高まることは
ありません。
宝くじの高額当選者と非当選者との
幸福感の比較した研究でも
結果は同じでした。
1億円でも10億でも
当たったときは嬉しいでしょうが、
その幸福感は長続きせず、
数ヶ月もすると非当選者と同等のレベルに
なることが知られています。
逆に当選者は、
テレビを見るとか友人と話しをするといった
普通の行動の楽しさを
非当選者と比べ低く評価してしまうことも
わっています。
つまりお金と幸福感とは
比例関係にあるというわけではないのです。
このことは、
日本人の所得はナイジェリア人の
約25倍あるにもかかわらず、
幸福を感じるナイジェリア人の割合は
日本人の2倍もいることからもわかります。
さらに物欲に走る物質主義の人は
人生の満足感が圧倒的に低く、
ポジティブな感情を抱くことが少なく、
抑うつ傾向や体調不良を訴える傾向が
強いこともわかっています。
どうもお金に固執する人は
あまり幸せにはなれないようです。
では、お金を持っていても
幸福にはつながらないのでしょうか。
もちろん、そんなことはありません。
ただしお金の使い方によります。
同じお金を使うのであれば、
モノを買うためではなく、
体験をするために使う方が
満足感が高くなります。
モノを買う場合は、
そのときの喜びは大きいのですが
長続きはしません。
人は欲しいものが手に入ってしまうと
その喜びにすぐに慣れてしまい、
また新たに欲しいものが
でてくるだけなのです。
一方、旅行にせよ映画にせよ、
体験にお金を使った場合は違います。
期待感が高まり、他の人と体験が共有でき、
さらに追体験もできるため
モノを買う喜びよりも、
満足度が高くなると言われています。
実際、旅行の計画や準備をする際は
とても期待感が高まりワクワクします。
さらに親友や恋人との旅行であれば、
その楽しさや喜びは倍増します。
また、そのような体験は
振り返ったときに
よい思い出として思い出され、
「あの旅行は楽しかったなあ~」と
追体験もできます。
このように体験にお金を使うことは、
モノを買うことよりも
ずっと幸福感を高めることに
つながるのです。
さらに他人に与えるという行為も、
満足感や幸福感を高め、
健康の増進にもつながります。
お金を自分のために使うよりも、
家族や友人、さらには全くの他人に
使う方がよい意味でマインドセットが
変わる可能性があるということです。
これに関しても様々な研究があり、
それによると、
幸福感と個人的支出の間には
関係性は認められませんでしたが、
友人や知人へのプレゼントや
慈善団体への寄付など、
他人のためにお金を使う人ほど
幸福感が高くなることがわかりました。
さらに他人に与えることは
健康増進にもつながります。
これはなにもお金だけの話ではなく、
ボランティア活動などもそうです。
ある高齢者を対象に
ボランティア活動の実施率と
死亡率の関係性を調べた研究があります。
それによると
二つ以上の団体で
ボランティア活動を行なった人は、
そうでなかった人に比べ、
5年後に死亡率が
44%低いことがわかりました。
私も以前、これを裏付ける体験をしました。
ある末期の肝臓がんの患者さんの
10カ所以上あった転移巣が
すべて消えてしまい、
腫瘍マーカーもどんどん
低下していったことがありました。
実はその患者さんは
長年、障害者施設で
ボランティア活動をしていたのです。
この人は特別なことは
何もしていなかったのですが、
「心の治癒力」の視点から考えると、
唯一、がんが消えたことに
影響を及ぼしたと思われる要因が
ボランティア活動でした。
まさにボランティア活動に
熱心に取り組むというマインドセットが
「心の治癒力」のスイッチをONにし、
肝臓がんが消失するという奇跡に
つながったのだと
私は今でも思っています。
このように、
お金にせよボランティア活動にせよ、
人に何かを与えるということは
自分自身の幸福感を高めるとともに、
病気の回復や健康増進にもつながるのです。