ブログ:AIの波に飲み込まれていく

前回はチャットGPTが広がることで
私たちの脳の成長が妨げられ、
将来に大きな禍根を残すのではという
私の思いを書きました。

チャットGPTが広がりを見せるその背景には、
利益や便利さばかりを追求する
資本主義の考え方があります。

ご存じのように
資本主義社会とは、
どんどん利益をあげ、
右肩上がりの成長を目指す社会です。

人が欲しがる商品や
興味をそそるモノを作り、
それを大量に生産し、
次々の売りさばき、
たくさん儲けるという世界です。

そこで得た利益をさらにつぎ込み、
組織や会社をどんどん
大きくしていくという仕組みで
さらなる発展をめざすというのが
資本主義社会です。

これには終わりがありません。
どんどん大きくしなければ、
会社や組織が回らなくなるからです。

極端な言い方をするならば、
人類が滅び、地球が破滅するまで
機能し続けるシステムであり、
私たちはそれに
組み込まれてしまっているのです。

人間には飽くなき欲望があり、
誰もがそれを満たしたいという思いを
根底には持っています。

人は幸福を望みますが、
多くの場合、
その幸福とは物質的な幸福です。

おいしいものを食べたい、
欲しいものを手に入れたい、
大きな家に住みたい、等々
お金やモノがある程度あれば、
これらの幸福は手に入れることができます。

このような、
人間の根底にある欲望を煽り立て、
「もっと、もっと」の世界へと
誘惑し続けるのが
資本主義社会の根底にある考え方です。
(奇しくも今日はGo! Go! Go!の日)

また、会社や企業も、
人間のこのような欲望に応えるべく、
そして新たな欲望へと駆り立てるべく、
新商品の開発に勤しみ、
利益を上げようと必死になっています。

さらに、新たな可能性を求め、
未知の分野を開拓し、
世界中を駆けずり回っています。

結局は、頭がよく、お金がある人が
会社を大きくし、
どんどん利益を増やしていきます。

一方で、力がない会社は潰れ、
淘汰されてきます。

最終的には、巨大な企業や
一部の人たちが大きな力を持ち、
世の中を支配する方向へと
進んでいくというのが
資本主義社会のたどり着くゴールです。

実際、世界中には
たくさんの大企業がありますが
その中でもGAFA(グーグル、アマゾン、
フェイスブック、アップル)は、
国を動かす程の存在になっていると言っても
過言ではありません。

しかしその一方で、
大きな問題が起こっています。

それは過酷な労働を強いられ、
自然がどんどん
破壊されているという現実です。

AIの導入により、
仕事もどんどん効率化され、
人がやる仕事が少なくなります。

その結果、失業する人が増えれば、
その人たちは条件の悪い仕事であっても
やらざるを得なくなります。

こうして、
効率的で便利になればなるほど、
企業は儲かるでしょうが、
一方で、働く人たちは
過酷な労働を強いられることになります。

こうして人は
どんどんむしばまれていくのです。

さらに私たちの贅沢を満たすために、
十分量の品物を供給する必要があります。

それに応えるためには
自然破壊を躊躇することなく
推し進めていかなくてはいけません。

例えば、スマホやパソコンには
レアメタルやレアアースと言われる
希少な物質が使われています。

これらは南米やアフリカなどで
産出されますが、
採掘や精錬における環境破壊や、
奴隷労働や児童労働のような
人権侵害の問題を伴っています。

また、アマゾンの森林や草原地帯の多くが
急速なペースで樹木の伐採や整地により
牧草地や農地に姿を変えています。

なぜそんなことになっているのかと言うと、
それは、先進国の食卓にのぼる
輸出用の牛やその飼料を生産するためです。

このように、
資本主義社会が発展すればするほど、
人が壊れ、自然が破壊されるシステムに
なっているのです。

そして、その背後には
人間の飽くなき欲望が存在しており、
私たちは楽さや便利さの名の下に踊らされ、
自然破壊や労働環境の悪化に
手を貸しているのです。

前回のブログでは
チャットGPTが脳の成長を止めるという
話をしました。

実際はそれだけではなく、
楽や便利という欲求を満たすために
AI社会がどんどん進むことで、
自然破壊や労働環境の悪化が
どんどん深刻さを増していくのです。

AIの波にのみこまれ、
何もできないまま、
生きていかざるを得ないのかと思うと、
忸怩たる思いを抱かざるをえません。

もっとも、そうは言っても
どうしていいのかもわからないのですが…

ですから、せめてもの償いとして
便利さに対して
多少なりとも抵抗しているというのが
今の私なのです。

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