ブログ：お酒の力、恐るべし

先日、博多でセミナーがあったので、
前日の夕方に新幹線に乗り、
博多に向かいました。

途中、乗り換えのために
新大阪で降りたのですが、
時間があったので夕食を兼ねて、
構内にある串カツ屋さんに寄りました。

串カツを10本くらい頼み、
生ビールを2杯飲み、
その間、本を読んで過ごし、
40分の時間を満喫しました。

お酒はまだ足りなかったので、
売店で日本酒とハイボール、
それに少々のおつまみを買い込んで、
新幹線「さくら」に乗り込みました。

車内でお酒を飲みながら
本を飲んで過ごすのがことのほか好きで、
ほろ酔い気分も手伝ってか、
かなりいい気分になっていました。

普段は隣の指定席に
他の人が座ることはないため、
ゆったりと過ごせます。

ところが、その日はなぜか乗客が多く、
岡山駅からは、
外国人の団体客と思われる人たちが
ぞろぞろと乗り込んできました。

私はさほど気にもせず、
日本酒を飲みながら
本を読み続けていたのですが、
そのとき「ここの席いいですか？」と
声をかけられてしまいました。

隣の席を予約していた人が来たので、
当然「すみません」と言って
荷物をよけました。

隣に座ったのは、
先ほどの団体客の一人と思われる
外国人の女性でした。

私は、英会話が大の苦手で、
外国人恐怖症でもあります。

駅や道ばたで、外国人を目にすると
知らず知らずのうちに
避けている自分がいます。

以前、海外に行ったときも
“How are you?”と話しかけられ、
とっさに“thank you”と
答えた自分がいました。

そのとき、相手が目を丸くして、
唖然とした表情でこちらを見ていたのを
今でも忘れることができません。

こんなレベルの英会話力ですから、
隣に座っている外国人から
話しかけらでもしたらどうしようと、
本来であればひどく緊張するはずでした。

ところが、お酒の力はすごいものです。
適度に酔っていたせいもあってか、
そのような緊張感は全くありませんでした。

そのまま何食わぬ顔でハイボールを開け、
本を読み続けていました。

さらに、
だいぶ酔いが回ってきたところで、
大胆不敵にも、
隣の女性に声をかけてみようと
思ってしまったのです！

素面であれば、1,000％やらない行動ですが、
酒が入ると、
こんなにも恐怖心がなくなるものかと
我ながら驚きました。

そして、頃合いを見て先ずは日本語で
「どちらから来られたんです？」と
声をかけてみました。

すると、日本語がわからないと
英語で答えられたので、
それからは、単語を並べるレベルの
たどたどしい英語であれこれ話をしました。

話をまとめると、
ドイツ人の日本ツアーの1人として
2週間の日本旅行をしている
最中とのことでした。

東京から出発し、主要都市をまわり、
さらには金沢の兼六園にも
行ったと言っており、
これから広島に行く最中とのことでした。

そうそう、高野山にも行って
座禅（瞑想）もしたと言っていました。

日本のアニメに興味を持ち、
それで日本に行きたいと思い、
今回、来ることになったようです。

どんな理由にせよ、
日本に興味を持ってもらえるのは
嬉しいものです。

そんなことをあれこれ話しているうちに
あっという間に広島駅に到着、
それで、おしゃべりタイムは終了。

彼女の言っていることが
あまり理解できないところも
多々ありましたが、
彼女のよい暇つぶしにはなったのではと、
博多に到着するまでの間、
自己満足感に浸っていました。

それにしても、
酔っ払うと緊張感がなくなり、
大の苦手な外国人にも
声をかけることができてしまうというのは
本当に驚きです。

人によっては酒を飲むと
泣いたり怒り出したりする人がいますが、
私の場合は、気持ちが開放的になり、
万能感が出てきます。

ですから恐怖心や羞恥心がなくなり、
逆に積極性や大胆さが
全面に出てきてしまうのです。

私は音痴で、カラオケでも
人前で歌うことは決してありませんが、
お酒を飲むと
なぜか歌ってしまうことがあります。

普段は見せないマジックを
酔うとやるというのも
そのせいかもしれません。

もう10年くらい前になりますが、
高校（男子校）の同窓会に初めて出席し、
男6人くらいで二次会に行きました。

女性がいないと寂しいという話になり、
それならと言って、
私が女性二人で飲んでいるテーブルに行き、
そこでいきなりマジックを披露しました。

あわよくば、興味を引いて
私たちのテーブルに
合流してもらおうとしたのですが、
残念ながら断られてしまいました。

しかし、今こうやって考えるだけでも
赤面ものですが、
よくもまあ、ヌケヌケと
そんな大胆なことができたもんだと
自分でも感心してしまいます。

これも、酔いによる
万能感のなせる技なのでしょう。

すごいというか、怖いというか、
恥ずかしいというか、やばいというか…

まさに、お酒の力、恐るべしです。