私は、悩みや問題を解決する
コミュニケーションのポイントは
無意識に上手に働きかけることだと
思っています。

なぜならば、
人が判断したり行動したりする際の
原動力となるのが無意識だからです。

そのため、いくら説得しようとしても
無意識レベルでの抵抗にあい、
頭ではわかっているけども
結局は何も変わらないということに
なってしまうのです。

この辺りのことは、
誰もが日常で経験していることです。

例えば、勉強や仕事、片付けにせよ
早くやらないと、と思ってはいても、
無意識はやりたくないと思っていれば、
行動にはなかなか移せないものです。

これは意識よりも無意識の方に
決定権があるからなのです。

もちろん、嫌がる無意識に逆らって、
強い意志や根性で、
無理やり行動するということは可能です。

ただ、何事もそうですが、
無理をして、何とかうまくいったとしても、
次回も同じようにうまくいくとは限りません。

このように、意識に働きかけたり、
言い聞かせたりすることには限界があります。

もっとスムーズに行動に結びつけるためには、
判断や行動の決定権がある無意識に
働きかける必要があるのです。

無意識に働きかけると言っても
実際には様々なアプローチがあります。

例えば、五感や感情に働きかけるとか、
その気になるような言い方で話をしたり
誰もが持っている思考のクセを利用するなど
多種多様な方法があります。

もちろん、どの方法も
人それぞれ、影響力の違いはあります。

この中で、五感への働きかけは、
本人に全く気づかれることなく、
無意識にアプローチする方法として有効です。

最も有名なのが
色彩心理を利用した方法でしょう。

例えば、赤やオレンジなどは
活動モードを促しますし、
逆に青や緑は安らぎや落ち着きをもたらします。

ですから部屋の色は使用するモノの色、
自分の身の回りの色により、
心は知らず知らずのうちに影響を
受けてしまうのです。

音に関しても同様です。
図書館のような静かなところよりも、
喫茶店のようなある程度、
音がある方が物事に集中できると
言われています。

香りでも、
本人が気づかないレベルであっても、
無意識はそれを感じ取ることができるので、
なぜかその香りのある品物がよいと
評価してしまう傾向があります。

さらに触覚でも、
温かいコーヒーを持っていると、
相手に対して親近感を感じるようになります。

これらはすべて無意識の働きです。
このように私たちは五感で感じることから
知らず知らずのうちに
影響を受けているのです。

このようなことを知っていると、
場所や状況に応じて
有効利用することが可能になるのです。

また、
無意識に強い影響を及ぼすものとして
感情があります。

感情というと喜怒哀楽が典型ですが、
もう少し根本的なものとして、
快・不快や好き嫌いという感情があります。

当たり前のことですが、
快さや心地よさを感じたり、
好きな感情を抱くものに対しては、
その感情を引き起こす原因とのかかわりを
増す方向に行動は促されます。

犬が好きな人は、
かわいい子犬に出くわすと、
つい撫でたり、
抱っこしたりしてしまうのです。

これは、
快の感情をもたらす子犬に対する行動を
促したことになります。

同様に、ヘビや汚いものなど、
不快さや嫌いという感情を引き起こすものには
その逆の行動が促されます。

また感情は、
過去、現在、未来のことに対して
抱くことができます。

そのため、
過去のことを思い出してもらったり、
まだ起きていない未来のことを
イメージしてもらうことでも、
感情を引きだすことができますし、
それによって行動を促すことも可能です。

ですから、
相手の快・不快や好き嫌いの情報を
知ることができたならば、
それを利用して、その人の行動を促したり
逆に抑制したりすることができるのです。

例えば、運動をしなければと思い、
せっかく家庭用エアロバイクを買ったのに
ついテレビドラマばかり見ている人が
いたとしましょう。

この場合、エアロバイクを漕ぐことで、
テレビの電源が入る仕組みに改造すれば、
テレビを見たいがために、
エアロバイクを漕ぐようになります。
(実際にしている人もいます)

また、逆のパターンもあります。

甘いものがやめられないで困っており、
その人はクモが大嫌いだとしましょう。

もしも、甘いものを食べようとすると、
クモのことを思い出してしまうような
状況を作ることができたら、
甘いものを食べることにブレーキを
かけることができます。

このように、感情は理屈ではなく、
無意識に生じる反応なので、
うまく利用することで、
その人の行動に変化をもたらすことが
できるのです。

このような考え方に基づいた
コミュニケーションが
無意識に働きかけるアプローチなのです。