こんな表題を掲げると、
ギョッとするかもしれませんが、
事実、私もギョッとしました。

実はこの表題は
感染症の専門家である岩田健太郎先生の著書、
「感染症は実在しない」
(インターナショナル新書)という新書の
タイトルそのものなのです。

岩田先生と言えば、
「ダイヤモンド・プリンセス号」で
新型コロナウイルスの感染者が出たとき、
いち早くクルーズ船に
乗り込んだまではいいものの、
騒ぎすぎて数時間で
追い出されたことでも有名です。

それはそうと、
この本に書いてある内容は斬新で、
興味深いものでした。

彼は感染症どころか、
がんや生活習慣病も含め、
すべての病気は存在しないと
この本で主張しています。

ここまでくると、頭がおかしいの?と
思うかもしれませんが、
本を読んだ私としては
確かにそうだなという思いを持ちました。

もっとも最近、
「なぜ世界は存在しないのか」(ガブリエル著)、
「時間は存在しない」(カルロ・ロヴェリ著)
といった、ギョッとする本を
立て続けに読んでいたこともあり、
感染症も存在しないと言われても、
直感的に、これもありかなと
思えたのかもしれません。

では、感染症は存在しないとは
どういうことなのでしょうか。

今、世界中の話題になっている
新型コロナウイルス(以下CV)を例にとって
説明させていただきます。

ほとんどの人は、
感染症という病気が実在していると
思っています。

しかし実際は発熱したり、肺炎を起こしたり
時には死に至るという「現象」があるだけであり、
それを勝手に専門家が「感染症」という
名前をつけただけなのです。

もちろん検査をすることでCVが
見つかることもあります。

そうなれば当然、
CV感染症という病名がつけられ、
必要に応じて入院や自宅待機を強いられます。

しかしその一方で、
CVに感染したことに気付かず、
普段通りに生活をし、
いつの間にかよくなってしまった人も
たくさんいます。

この人たちはCVに感染していても
CV感染症という病名を
つけられることはありません。

また、CVに感染して肺炎で亡くなっても
一般的な肺炎だと診断されてしまえば、
この患者さんにも、
CV感染症という病名はつけられません。

さらに言えば、
PCR検査で陽性と出たとしても、
必ずしもCVに感染しているとは言えません。

それは擬陽性と言って、
本当は陰性なのに陽性だと検査結果が
出てしまうことが一定の割合であるからです。

同様に、PCR検査で陰性と出ても、
実は感染しているという偽陰性の人も
一定の割合でいます。

どんな検査でも100%正確というものは
この世には存在しないのです。

そうなると擬陽性の人は、
実際にはCVに感染していないにもかかわらず
CV感染症という病名がつけられ、
逆に偽陰性の人は、
感染しているにもかかわらず、
CV感染症という病名は
つけられないことになります。

つまり、CV感染症というのは、
あくまでも言葉や概念、レッテルであり、
実体を表しているわけではないのです。

あくまでも、専門家と言われる人が、
こういうのをCV感染症と呼ぼうといって、
そういう名前をつけただけであり、
実際には、CV感染症という実体が
存在しているわけではないと
岩田先生は言っているのです。

ここで誤解のないよう言っておきますが
新型コロナウイルスが
実在しないと言っているわけではありません。

CVというウイルスは実在します。
でもCV感染症というものは実在するものではなく、
あくまでも、それらしき現象に与えられた
ネーミングやレッテルに過ぎないのです。

よって、
実際にCVに感染しているか否かではなく、
自分はCV感染症だと思っているか否かにより
決定されるものなのです。

もう少し違った説明をするならば、
CV感染症という言葉や概念がない地域、
例えばアマゾンで暮らす原住民には、
CV感染症は存在しないのです。

かりに新型コロナウイルスに感染し、
高熱を出し肺炎を起こし、亡くなったとしても
そこには、一連の「現象」があるだけです。

彼らにしてみれば、その人が死んだのは
「呪い」によるものだと思うかもしれません。

このように、病名はあくまでも、
自分らの都合でつけたものであり、
それをCV感染症と呼ぼうが、呪いと呼ぼうが、
また、ブラジルのボルソナロ大統領のように
「軽いインフルエンザ」と呼ぼうが、
実は全くの自由なのです。

そういう意味では、すべての病名は
あくまでも恣意的につけられたものであり、
実体を表しているものではないのです。

まとめると、新型コロナウイルスは実在し、
それにより発熱し、肺炎を起こし、
死ぬという「現象」も明らかに存在します。

しかしCV感染症という病名は、
あくまでもわれわれが
勝手に貼ったレッテルであり、
CV感染症という実体が
あるわけではないということです。

おわかり頂けたでしょうか?