自分は決してウソは言わないと
思っている人でも、
実際には、しばしばウソをついています。

ただ、意識的にウソをついているわけではなく、
無意識がそうさせているのであり、
本人はウソをついている自覚はありません。
つまり大真面目にウソをついているのです。

しばしば見られる典型的なウソには、
「もう最悪です」
「みんな、私の悪口を言うんです」
「以前と比べて全く変わっていません」
といったものがあります。

人は話を大いに盛り、極端に言う癖があります。
例えば、いかに自分がつらいのかといったことを
相手に伝えたいときなどは、
どうしても大げさに言ってしまうのですが、
これは誰もが持っている心の癖です。

たいていの場合、
このようなウソは問題になることはありませんし、
ときには笑いのネタにすらなるくらいです。

しかし、真剣に悩みを語っているときは別です。
このような無自覚のウソが、
本人を間違った思い込みの罠に引きずり込み、
自分自身をがんじがらめにしてしまう危険性が
あるからです。

例えば、職場のみんなから
陰口や悪口を言われていると思い、
悩み落ち込んでいる人がいたとしましょう。

火のない所に煙は立ちませんので、
実際、陰口や悪口を何人かの人から
言われてはいるのは事実でしょうし、
心当たりもあると思われます。

しかし、実際にはすべての人から
悪口を言われているとは考えにくく、
現実はその一部の人が言っているに過ぎません。

しかし、人間の思考回路は、
3人以上の人から
悪口を言われていると認識すると、
それを「みんな」と表現する癖があります。

「みんな」から
悪口を言われていると言葉にしながらも
実際には数人からであることは、
無意識の自分は知っています。

しかし、それを「みんな」と表現しているうちに
本当にすべての人から
悪口を言われているようなイメージが
だんだんと出来上がってしまうのです。

そのような状態が続くことで、
どんどん自分を追い詰めることになり、
さらに気持ちは滅入っていきます。
これが間違った思い込みの罠です。

このような間違った思い込みを
打開するためには、
悪口を言っている人は誰なのかを
具体的にたずねてみるのが効果的です。

そうすることで、
実際には悪口を言っている人は
そんなに多くはなく、
逆に自分に理解を示してくれる人も
それなりにいるという「事実」を
認識することができるようになるからです。

このように、現実をしっかり認識する作業が、
間違った思い込みを修正するための
ひとつの有効な方法になります。

人は誰でも、気になることがあると、
そこにしか目がいかなくなります。

自分が悪口を言われていると思うと、
実際に悪口を言っている人ばかりに
目がいってしまい、
他の多くのそうではない人には
意識が向かなくなってしまうのです。
それが人の心に備わっている
無意識の反応なのです。

だからこそ、事実に気づいてもらうためにも
間違った思い込みに反する現実に
目を向けてもらうことが大切になってくるのです。

その際に重要になってくるのが「質問力」です。

皆さんも「質問力」を磨き
間違った思い込みに気づいてもらえるような
質問の仕方を身につけて頂ければと思います。