ブログ:嬉しいことと嫌なこと

「自分がされて嬉しいことは人にもしなさい、
自分がされて嫌なことは人にもするな」
こんな言葉をときどき聞くのですが、
私はどうもこの言葉が好きではありません。

なぜならば、
とても自己中心的な発想だからです。

考えてもわかると思いますが、
自分が嬉しいと思うことが、
必ずしも他人にとって
嬉しいこととは限りません。

にもかかわらず、
自分が嬉しいと思ったことは
きっと相手も喜ぶにちがいないという思い込みが
この言葉の根底にはあるのです。

例えば、私なんかは結構、気まぐれですし、
一人でいるのも好きです。
あまり気を遣う方ではありませんし、
逆に気を遣われるのも好きではありません。

その一方で、
寂しがりやで、
いつも誰かと一緒にいるのが好きな人もいれば、
気遣いが細やかな人もいます。

私からすると、
こういうタイプの人はちょっと苦手です。
私のことなんかあまり気にせず、
もっと、自由気ままにさせておいてと
言いたくなってしまうのです。

また、日常の会話などでも、
明らかに好き嫌いが分かれます。

先日も、あるナースに
「先生って、営業スマイルはうまいよね」と
言われたので、
「○○さん程ではないけど」と返しました。

このように、
人から冗談っぽく、けなされるのは、
こちらも面白おかしくけなし返せるので
結構好きです。

だからと言って、
私も同じように、
冗談っぽく相手をけなすと、
人によっては冗談とは受け取られず、
不快な思いをする人は当然います。

ですから、私がされて嬉しいと思うことは
必ずしも相手が嬉しいとは限らないのです。

また逆に、
私はお土産やプレゼントをもらうのが嫌いです。
なぜならば、
気を遣われているような気がしますし、
また、お返しをしないといけないと考えると、
それだけで負担になってしまうからです。

プレゼントに関しては、
いくつかの興味深いアンケート調査があります。

例えば、誕生日プレゼントにせよ、
記念日のプレゼントにせよ、
贈る側が相手のことを一生懸命に考え、
こんなプレゼントを上げたら
きっと喜んでくれるにちがいないと思って
プレゼントを贈ります。

数字は忘れてしまいましたが、
一生懸命に考えて贈ったわりには、
思った程、相手には喜ばれないというのです。

プレゼントよりも、
相手が自由に選べるギフトカードの方が、
実際には喜ばれることが多いようです。

もっとも、誕生日プレゼントに
ギフトカードというのもどうかと思いますが、
親しい間柄の場合は、
相手が欲しいと思うものを事前に確認し、
それをプレゼントするというのが
もっとも確実に喜ばれる方法だと思います。

つまり、良かれと思ったプレゼントが
相手にとって
あまりうれしいものではないばかりか、
かえって負担になるということも
あるということです。

いずれにせよ、
モノや行為に対する好き嫌いは
個人差が大きいため、
これが良いとか悪いとかは一概には言えません。

さらに考慮すべきは、
相手が誰なのかということです。

人から好かれるとか認められるとか、
信頼されるということは
一般的には嬉しいと思われることでも
その相手が、
自分が嫌いだと思っている人だったら、
どうでしょうか。

関わりたくもないと思っている人に、
好かれたり認められたりしても
あまり嬉しいとは思わないのではないでしょうか。

そんなわけで、
「自分がされて嬉しいことは人にもしなさい、
自分がされて嫌なことは人にもするな」
という言葉は、
私は好きではないのです。

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