私は昔から哲学関係の本を
比較的よく読んでいました。
もちろん専門書ではなく
もっぱら一般向けの本です。

もっとも、読んでいるときは
それなりに理解しているつもりなのですが、
いざ説明してみろと言われると、
うまく説明ができないというレベルです。

ある時、飲茶著の
「史上最強の哲学入門」(マガジン・マガジン)
という本を読みました。

この本は、ものすごく平易な言葉で
書いてあるので、とても読みやすく、
様々な哲学者の考え方を理解するのには
とても役立ちました。

それ以降、飲茶さんが書いた本は
大方読みました。
「史上最強の哲学入門~東洋の哲人たち」
(マガジン・マガジン)
「14歳からの哲学入門」(二見書房)
「哲学的な何か、あと科学とか」(二見文庫)
「正義の教室」(ダイヤモンド者)
(多くは文庫本でも出ています)

とにかく読みやすいのです。
例えば、こんな具合です。

『要するに、孔子の思想を簡単に言ってしまえば、
思いやりの気持ちを大切にして、
礼儀正しく生きましょう」ということだ』

『弁証法とは要するに、
「今まで正しいと思ってきたことが、
ある日、間違ってるよと否定されることもある。
でもたいていはそれについて
ウンウン悩んでいるうちに、
より優れた正しい考えが見つかったり
するわけじゃない?
だから、そういうことを繰り返していくことで、
人間はより優れた考え方を
手に入れていけるんだよー♪
という程度のことに過ぎない』

終始こんな文章なので、
とてもわかりやすいのです。

少々趣が異なりますが、
最近出た「正義の教室」という本も
とてもわかりやすく書かれていました。

善とは、正義とは、正しいとは何かという問題を
3人の高校生のやり取りを通して
考えている本です。

いや~これは、結構考えさせられました。
有名なトロッコ問題も出てきました。
トロッコ問題とは以下のような問いです。

「トロッコを走らせていると、
線路の先に五人の人が見えた。
線路を切りかえることができるが、
切りかえた線路の先には二人の人がいた。
どちらに進むにせよ、トロッコが突っ込めば、
その先にいる人は全員死ぬ。
あなたはそのまま突っ込みますか、
それとも線路を切りかえますか?」

同じ死ぬなら5人より2人の方が
被害が少ないので切りかえるという人もいれば、
本来なら被害にあわないはずの2人を
犠牲にするのは倫理に反すので、
そのまま突っ込むという人もいるでしょう。

さらには、こういう問題は理屈で
考えられるようなものではないので、
その場で、直観で判断するという人も
当然います。

私たちは、正義や善を考える際、
三つの視点を持って判断します。
それは、平等、自由、宗教です。

つまり、できるだけ多くの人に幸福が
もたらされるようにするべきか(平等)、
相手に迷惑をかけない限りは、
自分は何をしてもよいと考えるか(自由)、
道徳や直観を基に判断するか(宗教)です。

ですからトロッコ問題で言うと、
平等主義は、線路を切りかえ5人を救いますし、
自由主義は、どちらを救いたいかを考え、
例えば、2人の方に自分の子どもがいたら、
5人の犠牲が出ようとも2人の方を救います。

しかし、この問題には正解はなく、
人それぞれの考え方に基づいて判断して
よいのです。

他にも、裕福な人は、貧しい人に
多少のお金を回すべきだというのは、
平等主義の考え方ですが、
格差が生まれるのは自己責任なのだから、
そんなことをする必要などないというのは
自由主義の考え方です。

こうして見ると、
私たちの日常や社会では、
絶えず何が正しく、何が善いことかということを
問われ続けているのです。

このような視点を持っていると、
物事を考えるための物差しとなるので、
より深く考えることが可能です。

哲学なんて難しそうと思っていらっしゃる方、
先ずは、飲茶さんの本を読んでみてください。
きっと、様々な哲学者の考え方が理解でき、
哲学にグッと興味がわくと思いますよ。