みなさんは、
何が人を幸せにするのか、
考えたことがありますか?

もちろん健康に恵まれ、
裕福で温かい家庭で育てば、
人は幸せだと感じられるかもしれません。

しかし現実はそうとは限りません。
何不自由ない生活を送りながらも、
非行や犯罪に走る人はたくさんいます。

逆に、小さい頃から大病を患ったり、
障がいを持っていたり、
さらには、経済的にも恵まれず、
両親がアルコール依存症だったり
暴力の絶えない家庭環境で育った人でも
今は幸せを感じている人もいます。

確かに辛い幼少期や学生時代を
不幸だと感じながら
過ごしている人はいるでしょうが、
だからといって、
それが本当に不幸だと
言い切れるのでしょうか。

今回、シンポジウムの演者の一人である
夏苅郁子先生がまさにその人です。

夏苅先生は、統合失調症の母親に育てられ、
そのことも影響してか
自分に全く自信が持てず、
自分は生きる価値がない人間だと思い込み、
常に死ぬことばかりを考えていました。

そんな思いで学生時代を過ごしていたので
自分自身も精神科に通う羽目に
なってしまいました。

医学部をめざし医者にはなったものの、
行くところがなく、
主治医だった精神科の教授から
「どこにも行くところがないなら、
うちにでも入るか」と誘ってもらい、
仕方なく精神科医になったとのことでした。

しかしその頃の彼女は、
薬物依存やアルコール依存、
過食と拒食をくり返し、
自殺未遂も2度しており、
患者さんから「先生、元気だしてね」と
逆に励まされる状態であり、
出口が全く見えない生活に
ほとほと疲れ切っていました。

そんな夏苅先生が、
教授の命令で地元のホスピスに
足を運ぶようになり、
それがきっかけで
柏木先生の存在を知りました。

大阪の淀川キリスト教病院で
ホスピス開設の準備をしていた柏木先生が
自分と同じ精神科医であることを知り、
この先生は死について
どう考えているのか知りたいという思いから、
純粋に柏木先生に会いたいと思ったそうです。

その思いが通じ、
3年間の間、月に1回大阪に通い、
柏木先生の回診につくことになりました。

このときホスピスで体験したことは、
医療のことだけにとどまらず、
人としての生き方についても
多くのことを学び、
それが彼女を救う
一つのきっかけになったことは確かです。

人が人を支えることの大切さや、
死により全てが失われても、
別の大きなものをもたらしてくれる。

夏苅先生の死に対する考え方は
ホスピスでの経験を通して
少しずつ変わっていったのでした。

夏苅先生が変わるきっかけを
作ったとも言える柏木先生も
今回のシンポジウムの演者の一人です。

夏苅先生にシンポジウムへの参加を
打診したところ、
柏木先生がいらっしゃるのであれば、
是非参加させて頂きますと
快諾して下さいました。

夏苅先生と柏木先生は30年ぶりに
シンポジウムで再会されることになります。
当日の講演も楽しみですが、
個人的にはお二人が控え室で
どのような話をされるのかにも興味があります。

一方の柏木先生はホスピス緩和ケアの世界では
知らない人はいない程の有名な先生です。
長年ホスピスの臨床に携わり、
患者さんの心に寄り添ったかかわりを
されていました。

ホスピスと言うと、入院患者さんのほぼすべてが
余命幾ばくもない死にゆく人であり、
また、それを見守る家族に悲しみやつらさは
想像に難くありません。

そんな患者さんや家族を
長年見続けてきた柏木先生だからこそわかる
“幸せのかたち”があると思います。

今回、柏木先生にシンポジウムの演者を
真っ先にお願いしたのは、
柏木先生であれば、
“死や悲しみ”と“幸せ”を
みごとにつなげ、融合し、
昇華させるような話をして下さるに
ちがいないと思ったからです。

講演を依頼した際、
「このテーマは面白いなあ~」と
しみじみと言って下さったのが印象的でした。
今からどんな話が聴けるのが、
楽しみで仕方ありません。

そんなわけで10月6日(日)に
大阪で開催されるシンポジウム
「Spiritual Happiness(ホリスティック幸福論)
~こころ、からだ、いのちを幸せにする方法」
に是非おいで下さい。お待ちしております。
https://www.holistic-kansai.com/2019sympo/