前回は、食事内容について書きましたが、
実はもっと重要なことがあります。
それが、我慢を強いることなく、
満足感をもって食べるということです。

この点は強調してもし過ぎることはありません。
このことを最初?に主張したのが、
BOOCSというダイエット法の生みの親である
藤野武彦先生です。

今回は、その点を説明するために、
先生の著書、
「BOOCS~至福のダイエット革命」
(講談社)を中心に話を進めたいと思います。

なお、この本は
20年以上も前に出版された本で、
現在は絶版になっています。
(中古本ならアマゾンでも買えます)

また、BOOCSという考え方は
今はダイエットというよりも、
生活習慣病の予防や治療という
位置づけに変わっていますが、
考え方や原理原則は今も昔も変わっていません。

なおBOOCSとは
Brain-Oriented Oneself-Care System
(脳指向型自己ケアシステム)のことです。

実は、私も20年程前に
BOOCSに取り組み、69kgあった体重を
64kgまで落とした経験があります。

通常のダイエットには
全く関心がなかった私ですが、
BOOCSは、
「心」の面に焦点を当てたダイエットであり、
それが私の興味を惹き、
また実践して、その有効性を確信したので、
患者さんの治療にもよく使っていました。

BOOCSの考え方は目からウロコでした。
それは以下の基本の2原理と3原則に
如実に表れています。

基本2原理
1,自分で自分を禁止、抑制することを
できるだけしない(禁止を禁止する原理)
2,自分にとって心地よいことを
ひとつでも開始する(快の原理)

基本3原則
1,例え健康によい食べ物であっても、
嫌であれば食べない
2,例え健康に悪い食べ物でも、
やめられなければそのまま続ける
3,健康によい食べ物で、
しかも自分が好きなものは
ひとつでもよいから始める

要するに、我慢するのではなく、
心の欲求を大切にしながら、
やっていきましょうということです。

もっと大胆な言い方をするならば、
「食べたいものを
食べたいだけ食べてもよいダイエット」
ということです。
皆さん、これならできると思いませんか?

BOOCSの考え方の根底には
脳疲労という概念があります。

例えば、「ケーキを食べたい」という欲求が
あるにもかかわらず、
「ダイエットしているのだから、
ケーキなんか食べてはダメ」と思うと、
当然、我慢を強いられることになり、
それがストレスとなります。

つまりこの「思い」と「欲求」の
せめぎ合いが脳疲労を生むことになり、
この対立構造を解消することが
脳疲労を改善することにつながり、
延いてはそれが健全な食生活に
つながっていくというのが
BOOCSの基本的な考え方です。

実を言うと、これは
ブリーフセラピーの根底にある考え方と
全く同じです。
だからこそ、私はBOOCSに惹かれ、
患者さんの治療にも取り入れたのです。

もちろん、欲求の赴くままに食べていたら
太るに決まっています。
だからこそ「これならできる」という
小さなことを積み重ねていくことで、
食に対する考え方を少しずつ変えていくのが
BOOCSのやり方です。

では、その具体的な食べ方ですが、
それは以下の「食べ方の5つの基本」に
要約されています。

1,1日1回、楽しくて、
心から満足できる食事をする。

2,体にいい食素材と食品の中から
好きなものを食べる。

3,例え体によいものでも、
嫌いなものは決して食べてはいけない。

4,例え体に悪いものでも、
食べたくてたまらないものは決して禁止しない。
アルコールもとりあえず従来どおりに。

5,伝統的日本料理(かつての家庭料理)を
原則として食べる。ただし食べたければ、
西洋料理や中華料理も我慢せずに食べる。

もう少し具体的に説明しましょう。

1日1回、満足する食事をするというのは
1日1食にするという意味ではありません。
3食のうち、どれか一食(たいていは夕食)を
満足するだけ食べるという意味です。

では残りの二食はどうするのかと言うと、
朝は緑茶や味噌汁といった水分中心の食事を、
昼はそばやおにぎりなど軽めの食事を摂り、
夕食はどうぞご自由にということです。

1日1回、満足感のある食事を摂っていれば、
それで脳は満足するので、
脳疲労が減るということです。

もちろん、お腹が空いて
夕食まで待てないという場合もあります。

ただしその場合も、
夕食が楽しみだと思える空腹感は
そのまま何も食べなくても構いません。
この空腹感はワクワク感であり
ストレスにはなりません。

ただしイライラする空腹感の場合は、
それを我慢するとかえってストレスになるので、
すぐに食べる必要があります。

その際、まず紅茶に
黒砂糖をたっぷり入れたものを飲む。
それでも満足できない場合は、
「りんご」「おにぎり」「そば」「うどん」
「塩せんべい」などの順番で食べます。

それでも満足できず、
ケーキやお菓子が食べたくて
我慢できないのであれば、
その時は躊躇せずにたべても結構です。

こんな方法でうまくいくの?と
お思いの方は多いと思いますが、
成功率は95%以上というから驚きです。

満足感のあるダイエットをするという意味が
理解できたでしょうか。

次回は、もう少し具体的な工夫の仕方について
お話しをさせて頂きます。