今週末の4月21日に大阪で
「コミュニケーション医学」についての
講演会を行うのですが、それに先立ち、
コミュニケーション医学について
簡単に紹介させて頂こうと思います。

コミュニケーション医学は私の造語です。
医療コミュニケーションとか
医学コミュニケーション学という言葉は
すでに使われていますが、
どちらも一般的なコミュニケーションに
焦点を当てた言葉です。

一方、私が言っている
コミュニケーション医学は、
「医学」に重きを置いた言葉であり、
ひと言で言えば、
「コミュニケーションそのものを
治療として考える医学」といった
意味合いの言葉です。

医療現場においては、
検査や薬の処方など
様々な医療行為が行われていますが、
そこには必ず、医者患者間の
コミュニケーションが存在しています。

もちろん、ここにも
一般的なコミュニケーションはありますが、
医者がそれを行う場合、
全く違った意味合いを帯びてきます。

それは、単なる説明であろうが
治療行為に伴うものであろうが、
そこで持たれるコミュニケーションそのものが、
病気や症状の改善や悪化、
さらには治療効果にも影響を与える存在に
なってしまうということです。

もう少しわかりやすく説明しましょう。

医者と患者との間にかわされる
コミュニケーションをうまく取ることで
患者さんに安心感や信頼感、期待感、喜び
といった思いを持ってもらうことが可能です。

もちろん病気の種類や病状によっては
悪い知らせを伝えないと
いけない場合もあります。

しかしその時でも、どのような伝え方をし、
どうように支えるかによって、
ダメージを最小限にすると同時に、
希望や可能性を持ってもらえるような
コミュニケーションをとることも
十分に可能です。

そのような心の状態は、
自律神経系や免疫系、ホルモン系、
さらには遺伝子系にまで影響を及ぼすことが
知られています。

これらは身体の機能を調整、維持し、
また問題があれば
それを修復、改善させる働きを持っています。
当然のことながら、
これらは病気や症状の改善にも
直接かかわってきます。

つまり医療現場におけるコミュニケーションは、
薬や手術と同様、
病気治療の一端を担っているのです。

逆にそのコミュニケーションによって、
強い不安を感じさせてしまったり、
不信感を抱かせてしまったりしたならば、
自律神経系や免疫系に
マイナスの影響を与えてしまうため、
病気や症状を悪化させてしまうことも
起こりえます。

その意味で医者とのコミュニケーションは
薬にもなれば毒にもなるという
両刃の剣なのです。

だからこそ医療現場における
コミュニケーションは
患者さんの治療をする上において
とても重要であり、
まさに医学そのものなのです。

しかし、多くの医者や患者は、
薬や治療が病気を治すのであり、
そこにコミュニケーションが
大きな影響を与えているという事実に
気づいていません。

もしもこの事実にみんなが気づけば、
治療効果をもっと高めることはもちろんのこと、
治療に伴うリスクや医療費を
軽減することも可能になります。

また、患者さんの日常生活の行動に
変化をもたらすことも可能なので、
医者のコミュニケーションは
生活習慣病の改善や予防にも
大いに役立つことになります。
(続く)