ホリスティックコミュニケーションが
一番大切にしているものは何か聞かれたら、
私は「心の治癒力」だと答えます。

「心の治癒力」は、
自分を癒したり問題を解決したりするための
根源的な存在であり、
これなくして問題解決はあり得ないからです。

人には自然治癒力が備わっています。
これは怪我や病気を治すといった
身体的問題に対処するためには
必要不可欠な存在です。

同様に、悩みやストレスといった心の問題には
「心の治癒力」が必要不可欠なのです。

実は「心の治癒力」とは、
「無意識」が持っている力そのものなのです。
つまりホリスティックコミュニケーションは
この「無意識」に働きかけ、
その力を最大限に活かし、
問題解決を促すスキルだと言えます。

ただし、ここで勘違いしないで
欲しいことがあります。
それはホリスティックコミュニケーションで
問題解決をするのではないということです。

問題解決をするのは、
その人が持っている「心の治癒力」であり、
無意識が潜在的に持っている
気づきの力や回復力、成長力なのです。

ホリスティックコミュニケーションは
その力が最大限に発揮できるようにするための
あくまでも「きっかけ」に過ぎないのです。

その点を誤解していると、
ついテクニックで問題を解決しようとしたり、
解決策を押しつけようとしたり
してしまうのです。

そんなことをしても、
「無意識」の反発を買うだけで、
決して問題解決にはなりません。

では、反発を買うことなく、
「無意識」をそのきにさせるためには
どうしたらよいのでしょうか。
そのキーワードとなるのが「小さな変化」です。

無意識には、今までの知識や経験、
学習によって得た情報が蓄積されています。

日常における判断や行動は、
その蓄積情報に照らし合わされ、
良し悪しや好き嫌いのふるいにかけ、
その上で「よし」と判断されたら
実行に移されます。

例えば、自分に自信が持てず、
人前で話をするのが大の苦手だという女性が
いたとしましょう。

彼女に、いくら勇気を持って
チャレンジすればきっとできる、
などと言っても無駄です。

彼女の「無意識」には
「人前ではうまく話せない」
「私はすぐに上がってしまうからダメ」といった
今までの経験の中で蓄積された情報があり、
それに照合した結果、
「人前で話をすることは避けよう」
という判断を下し、
「無意識」はそれを実行に移そうとするからです。

ここで大切になるのが
「無意識」をその気にさせるアプローチ、
つまり「それくらいならできるかもしれない」
と、思えるような、ほんの「小さな変化」に
目を向けてもらうことです。

例えば、誰か友達一人の前で
話をするというのであれば、
「無意識」は「それくらいならできるかも」と
思ってもらえる可能性があります。

実際にうまくいけば、
その成功体験は
「無意識」の中に情報として蓄えられ、
次回の判断材料のひとつになります。

すると今度は、友達二人に前でも
話ができるようになり、
その延長線上には、
友達の友達という知らない人が混じっていても、
「それくらいならいけるかも」と
「無意識」が判断してくれる可能性が
高くなるのです。

実際にたくさんの見知らぬ人の前で
話ができるようになるためには
もう少し工夫が必要でしょうが、
問題解決の第一歩としてはこれで十分です。

ホリスティックコミュニケーションは、
「心の治癒力」、つまり
「無意識」の力をうまく引きだし、
それを最大限に活かすためのスキルです。

そのポイントとなるアプローチのひとつが
ほんの「小さな変化」を引きだすことなのです。