ブログ:ホリスティックコミュニケーションの視点①

ホリスティックコミュニケーションは
悩みや問題を解決するためのスキルであり、
ブリーフセラピーという心理療法を
ベースにしています。

カウンセリングのように
傾聴や受容、共感を大切にしつつも、
そこでとどまることはありません。
なぜならば、話を聴くだけでは
悩みや問題は解決しないからです。

ではどのようなやり方で、
問題解決を図っているのかというと、
原因を見つけてそれに対処するといった
従来的な問題解決の方法と、
クライエントの持っている
「心の治癒力」をうまく引きだし、
その力を使って問題解決をするという、
両者を融合したやり方で対処しています。

人の悩みや問題は様々です。
家庭や仕事、職場の問題、人間関係の問題、
健康や経済的な問題、将来の問題、
自分自身の性格や行動の問題等々、
多種多様です。

この中には原因を見つけることで
対処できるものと、
いくら原因を探しても
問題解決にはならないものとが
入り交じっています。

例えば、職場での人間関係の問題で
悩んでいるとしても、
その原因が、
パソコンが苦手なために仕事の効率が悪く、
それがトラブルや人間関係の悪化の元に
なっているのであれば、
パソコンのどこが苦手なのか、
どうしたらもう少し勉強して
苦手を克服できるのかといったことを
具体的にアドバイスすることで
この問題はある程度解決できます。

このように、原因をある程度特定でき、
かつそれに対して対処可能な問題は
原因を見つけそれに対処するという
原因志向的アプローチで解決できます。

しかし現実の問題は
そう単純なものばかりではありません。

例えば、自分に自信がなく
何事に対してもオドオドしてしまい、
そのため仕事での失敗も多くなり、
それが原因でストレスが溜まり、
体調を崩しているとしたならば、
この問題は原因志向では解決できません。

この場合は、その人の性格や自信のなさが
原因だということになりますが、
「もっと自信を持て」と言っても
何の解決にもなりません。

ましてや、さらなる原因を探そうと、
「なぜそんなに自分に自信がないんですか」
などとたずね、
深掘りすると収拾がつかなくなります。

小さい頃、両親から
「どうしてお前はそんなにダメなの」と
言われ続けたり、
学生時代に先生からバカにされたり、
成績がビリだったりしたことが
自信をなくす原因だとわかっても
今さらどうしようもありません。

何事にも自信が持てないという問題は
どうすれば、そんな自分でも
自信が持てるようになるのか、
自信がない「今の自分」でもできる
具体的な方法は何なのかを
見つけていく必要があるのです。

人は誰でも自分を癒す力、
希望や可能性を見出す力としての
「心の治癒力」を持っています。
その力をいかにうまく引きだすかが、
ホリスティックコミュニケーションの
真骨頂と言えます。

そのための質問が、
先週のブログで書いた
「無意識をうまく利用する質問」です。

詳細はそちらを読んでもらえばわかりますが、
これは原因志向的アプローチと
真反対のアプローチになっています。

つまり原因を探すのではなく、
今のような自分であっても
「できていること」や
「できそうなこと」といった
希望や可能性をうまく引きだす質問をしながら
話を展開していくという考え方です。

このように、原因志向的アプローチと
「心の治癒力」を引きだすアプローチの両者を
うまく使いながら、
クライエントの悩みや問題を解決するのが
ホリスティックコミュニケーションの
大きな特徴のひとつと言えます。

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