前回は、「無意識」にうまく入り込み、
抵抗されることなく、
知らず知らずのうちに
答えを引きだす質問の仕方について
書きました。

このような質問の仕方は他にも色々あります。
例えば、何にも喜びを感じられず、
ただ毎日を悶々として生きているだけだと
感じている人がいたとしましょう。

そんな人に、
「うれしいことや楽しいことだって
多少はあると思うのですが、それは何ですか?」
などといった質問をしても
「そんなもんありません」と
あっさり答えられてしまいます。

ポジティブなことにも
目を向けてもらおうとする気持ち
はわかりますが、
このようにストレートに質問してしまうと、
「無意識」の抵抗にあい、
あえなく沈没してしまうのです。

ここでも「無意識」にさりげなく
入り込むような質問が必要になってきます。
例えば、「そんな辛い状況の中、
何で今まで何とかやってこられたんですか」と
質問するのです。

この質問は、相手の辛い状況を認め、
なおかつ、そのような状況に中で
何とかやってきているという事実も
認めています。

実際、悶々としながらも生き続け、
何とか生活をしているという事実は
否定できません。

このような聞き方をすれば、
何で自分は今までやってこられたんだろうと、
「無意識」の中に肯定的な情報を探すべく、
あれこれ思いを巡らさざるを得なくなります。

すると、「クーという飼い犬がいるんですが、
クーに話かけていると
少し気持ちが楽になるんです」
といった答えが返ってくるかもしれません。

このような答えを返した瞬間、
今まで何にも喜びを感じられず、
ただ毎日を悶々として生きているだけだと
思っていた自分も、
クーと話をすることで、
実は、少しだけホッとする瞬間が
あるということに気づけるのです。

こんな些細なことであったとしても、
ポジティブな出来事であるのは事実です。
これがきっかけになり、
それに関わる質問をしていけば、
どんどん話が広がっていきます。

「クーちゃんとどんな話をするんですか」
「クーちゃんは、どんな気持ちであなたの
話を聴いてくれるんですが」
「その時、何で気持ちが楽になるんですか」
といった具合です。

すると
「どうしたらいいのかなあ、なんて聞きます」
「自分を慰めてくれている気がします」
「なんとかなるよって言われてるようで」
といった答えが出てくるかもしれません。

これらは、すべて
自分と自分の「無意識」との対話なのです。
このような質問が、知らず知らずのうちに
「無意識」にある希望や可能性に
目を向けるきっかけを作っているのです。

問題を抱え、そこからなかなか
出てこられない人は、
「どうして自分はダメなんだろう」
「これからどうしていったらいいんだろう」
といった、答えの出てこない質問を
いつまでも繰り返します。

そんな固着した状況に風穴を開けるのが
「なんで今までなんとかやってこられたのか」
といったような、
さりげなく「無意識」に入り込む質問なのです。

「無意識」はその人の判断や行動を決める
重要な存在です。
だからこそ、「無意識」に抵抗されることなく
そこに働きかける質問が重要になってくるのです。