前回は自己肯定感について書きました。
自己肯定感の高い人は、
自分の不完全なところも含め、
自分を受け入れ認められると同時に、
他人の存在や価値も認められる人です。

また似たような概念に
セルフ・コンパッションという言葉があります。
これは文字通り
「自分自身を思いやる心」のことです。

セルフ・コンパッションには
次の三つの側面があります。
1,自分自身に対してやさしく接する態度
2,悩みや失敗は誰もが体験するという発想
3,すべてをあるがままに受け入れる態度

自己肯定感の解釈にもよりますが、
私は自己肯定感とセルフ・コンパッションとは
重なるところの多い概念だと思っています。

ですから自己肯定感を高めるというのは
セルフ・コンパッションを
高めることにもなるということです。

細かい言葉の定義はさておき、
自己肯定感を高めるためには
どうしたらよいのでしょうか。

基本は自分で自分を
認めてあげる練習をすることです。

自己肯定感の低い人は、
自分をなかなか認められません。
最初はそれでかまいませんが、
日常の中で、多少なりともできたことや
うまくやれたことに注目し、
「がんばったよなあ」「よくやれたね」と
心の中で呟く練習をするのです。

中には、たとえどんなことができても、
こんなこと誰だってできることなので、
自分が頑張ったなんて思えない、
と思ってしまう人もいます。

そうであれば、先ずは
「自分が頑張ったなんて思えないと思っている、
そんな自分がいるんだな」と
やんわりと受けとめてあげるだけでよいのです。

また「できたんだノート」を書くのも有効です。
毎日、5分程度でよいので、
1日を振り返り「できたこと」「やれたこと」を
書くというものです。

何も試験に合格したといったような、
大それたことを書く必要はありません。
ほんの些細なことでよいのです。

例えば
「映画を見て感動した」
「30分集中して仕事に取り組めた」
「ティッシュを渡したらありがとうと言われた」
といった具合です。

日常のほんの些細なことでよいので、
ポジティブな感情になったことや、
他者に喜んでもらえたことなどを
書けばよいのです。

そのような「できたこと」を
ノートに書くという習慣がついてくると、
次第に自分自身を肯定的に
捉えることができるようになってきます。

また自己肯定感を高めるためには、
小さな幸福感を味わい、
それを積み重ねることも大切です。

例えば
「朝の日差しが心地よかった」
「昼食のソバがとても美味しかった」
「道端に咲いていたコスモスがきれいだった」
「風呂に浸かっているとき幸せを感じた」
といった具合です。

実は日常にはたくさんの
「心地よい体験」があるのですが、
あまりに当たり前すぎて、
ほとんど意識されずに
見過ごされてしまっています。

でもそのような「心地よさ」を意識し、
それをじっくり身体の中で味わうことで
感情脳が刺激されるので、
ポジティブな感情を
感じやすくなってくるのです。

それが延いては自分に対する
肯定的な気持ちをも培ってくれる
ようになるのです。

自己肯定感が高いか低いかにより、
人生の充実感や幸福感は
大きく変わってきますし、
それは人間関係などにも
影響を及ぼします。

自己肯定感が低いと思っている人は、
先ずは日々の小さな
「できたこと」や「心地よさ」を
意識することから始めてみてください。
自己肯定感が高まっていくのを
実感できると思います。