私たちの頭の中では、
内なる声が常に呟かれており、
ほとんどの場合、
その声に従って行動しています。

しかし時として、
その声は誤った判断をするため、
不適切な行動を取ってしまうことがある
という話しを前回しました。

今回は怒りやイライラといった感情を
うまくコントロールするためには、
この内なる声に耳を傾けることが
とても重要だという話をしたいと思います。

私たちは、相手のちょっとした言動に、
イライラしたり怒りを覚えたりすることが
よくあります。

その際に、カチンときて
つい怒ってしまったがために、
お互い気まずい思いになったり、
ときには関係が悪くなったり
することもあります。

そのため、できることなら
怒りの感情は
うまくコトンとロールしたいものですが、
それがなかなかうまくいきません。

まず怒りをうまくコントロール
できるようになるためには、
自分が怒っているということに
気づく必要があります。

こんなことを言うと、
自分が怒っていることくらい、
誰だってわかっていると
思うかもしれませんが、
実は、たいていの人は、
今、自分は怒っていることを
「意識」していません。

逆の言い方をするならば、
知らず知らずのうちにカッとなり、
気づいたときにはすでに
怒った後だったというパターンが
ほとんどだということです。

人は無意識にしてしまう行動を
コントロールすることはできません。
それを意識化することができて、
初めてコントロールできるようになるのです。

そのためにも先ずは、
怒りやイライラ、不快な感情が
湧き上がってきたら、
それに意識を向けることを
「意識」する必要があるというわけです。

心には物事を冷静に考えたり
判断したりする「頭」、
つまり「思考」の働きと、
理屈抜きで反射的、反応的に
感じてしまう「心」、
つまり「感情」の働きがあります。

怒っている瞬間は
感情が「頭」を支配しているため、
冷静に考えたり判断したり
することはできません。

つまり感情的になっているときは、
「心」が「頭」を完全に
巻き込んでいる状態だと言えます。
これでは怒りをコントロールすることなど
できるはずがありません。

ではどうしたらよいのでしょうか。
それは怒りの感情が湧き上がってきたと同時に、
そこに意識を向けることができれば、
怒りをコントロールすることが可能です。

そのようなことができるようになるためには
先ず、怒りが一段落し、
少々冷静さを取り戻したときに一人になり、
怒りの感情に目を向けることから
始める必要があります。

その際、どんな「内なる声」がして、
自分は怒りを感じて怒ってしまったのか、
そこに目を向けるのです。

例えば、以前、私はAさんに
理不尽なことを言われ
言い合いになったことがありました。

その時のことを思い出すと、
「何言ってんだこいつ!」
「お前は一体何様のつもりだ!」
といった「内なる声」が聞こえていました。

このように、その時に呟いた(叫んだ?)
「内なる声」を思い返し、
それを意識化することが
大切になってきます。

なぜならば、冷静沈着に自分の怒りを
客観的、俯瞰的に見ることができると、
その「内なる声」の裏にある
本当の思いや感情が
理解できるようになるからです。

今回の場合、冷静に考えてみると、そこには
「理不尽なことなど言ってはならない!」
という「思いこみ」があったり、
「Aさんは最低のやつだから、
あんな理不尽なことを言うんだ」という
「レッテル」を張っていたりしていました。

さらに「そんな言い方しかできない
Aさんが悲しい」という感情も
背後には隠れていることを発見しました。

このように、客観的に自分の感情を
見つめなおすことで、
怒りの裏にある「思い込み」や「感情」が
見えてくるのです。

そんな思いをじっくりと味わい、
自分の中に落とし込めるようになると、
今度同様なことがあっても、
怒りがこみ上げてきた段階で、
「今自分は怒り始めている」ということに
意識が向けられるようになってくるのです。

もちろん、それでもつい怒りを
爆発させてしまうことがあるかもしれませんが、
今までのように怒った後に
自分の怒りに気づくのではなく、
怒り始めた自分に気づけただけでも、
大きな前進なのです。

このようにして怒りの感情に気づけることで、
怒りの感情に
自然とブレーキがかけられるようになり、
次第に感情に支配されずに
すむようになるというわけです。

「内なる声」に耳を傾けること、
これが怒りをコントロールするための
第一歩なのです。