今回も前回の続きで、
アンダース・ハンセンの著書
「DRAIN 一流の頭脳」の中から、
やる気と集中力について紹介させて頂きます。

誰でも、なかなかやる気や意欲が
出てこないという経験はあると思います。

やる気が起こらなくなる
典型的な病気がうつ病です。
このうつ病に関係すると言われている脳内物質が
セロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンで、
これらの物質が減少することが、
うつを引き起こすと考えられています。

これらの物質は感情を左右するだけではなく、
集中力や意欲、意志決定などにも欠かせません。
抗うつ剤はこれらの物質を増やすことで、
うつを改善させようとする薬です。

ところが、抗うつ剤を飲むと、
これらの物質の濃度はすぐに上がるのですが、
実際に症状が改善するまでには
数週間程かかるのが一般的です。

そのため、もっと重要な
他の要因が関係しているのではと
言われるようになり、
最近では新たな仮説が出てきました。
それがBDNF(脳由来神経栄養因子)仮説です。

BDNFは大脳皮質や海馬で
作られるタンパク質で、
脳細胞が傷つくのを保護したり、
神経細胞が生まれるのを助け、
その生存や成長を促す役割があります。

さらに脳の細胞間のつながりを強化し、
学習や記憶力を高めるなど、
脳の健康には必要不可欠な物質です。

うつ病の人は、このBDNFの分泌量が低く、
抗うつ剤を飲むとこの濃度が上がり、
症状が改善するに従って
BDNFが作られる量も増えてきます。

つまり、うつ病にはこのBDNFの減少が
大きくかかわっているのです。

では、このBDNFを増やすためには
どうしたらよいのでしょうか。
実は、その最もよい方法が運動なのです!

たとえば週2回、30分程度の
ランニングをすると、BDNFが少しずつ増え、
次第にうつの症状は消え、
やる気や意欲が回復してきます。

でも、抗うつ剤でも結果として
BDNFが増えるのであれば、
運動をしなくても抗うつ剤を飲めば
いいのではないかと思うかもしれません。

実は、抗うつ剤には
口の渇きや吐き気といった副作用がありますし、
また再発も少なくありません。

ところが運動には抗うつ剤と同等の
うつを改善する効果がある一方、
抗うつ剤のような副作用はありません。

また、抗うつ剤でうつが改善した人の再発率は
38%であるのに対し、
運動で改善した場合の再発率は8%だという
データもあります。

このことからもわかるように、
うつの症状を改善するためには、
運動することがもっとも効果的な方法なのです。

つまり、一般の人でも
やる気や意欲を出すためには
運動がとても効果的だということです。

また、集中力を高めるこことにも
運動は大きく関与しています。

脳の側坐核(そくざかく)という部位には、
報酬中枢と言われる場所があり、
ここからドーパミンが分泌されます。

美味しいものを食べに行くとき、
目標が達成されそうなとき、
何かに夢中になっているときなどに
このドーパミンが大量に分泌されます。

つまり、ドーパミンが分泌されると、
注意はすべてそこに向けられ、
それを手に入れること、
あるいは繰り返し行うことしか
考えられなくなるのです。

喫茶店で読書に夢中になっているときも
同様のことが起こっています。
本に集中していると、
周囲の音は聞こえなくなります。

ドーパミンには
目の前の本を読むということに集中するために、
周囲の雑音のボリュームを下げ、
聞こえないようする働きがあるのです。

逆にドーパミンが不足すると、
周囲の音に気を取られ、
目の前のことに集中できなくなるのです。

実は、運動した直後は、
このドーパミンの分泌量が増え、
その状態は数時間続きます。

また、日頃から運動をすることで、
集中力も高まることが知られいます。

運動をすることにより、
神経細胞に新たなネットワークが生まれ、
脳の機能に変化が起きることで、
集中力も高まるというわけです。

皆さんも、
やる気や集中力も高めたいと思うのであれば、
ぜひ、運動を習慣化することをお薦めします。

もしも運動を習慣化することができたならば、
やる気や集中力のみならず、
感情のコントロールやストレスの対処、
発想力、学力といったものすべてが高まります。

運動により、自分の人生を
大きく変えてみまてはいかがでしょうか。