ブログ:組織の中で解決志向アプローチを活用する

今回は、三菱電機で行った講演の内容を
簡単に紹介させて頂こうと思います。

まず最初にお話ししたのは
原因(問題)志向と解決志向の違いです。

原因志向は、問題を分析し
その原因を追究することに焦点を当てます。
これは私たちの一般的な思考方法であり、
原因を特定し、それに対処すれば
問題は解決するという考え方でです。
機械の故障など、モノ的な問題には
とても適した思考方法です。

一方、解決志向は、その人の持っている
リソース(資源)や可能性に着目し、
それをうまく引きだすことで
問題を解決しようとする考え方です。
人の感情や思いが絡むような問題には
こちらの方が適しています。

次に、組織やチームにおいて、
原因志向だけでやろうとすると、
なかなか上手くいきません。
その理由について話をしました。

先ず、なぜ上手くいかなかったのか、
その原因を分析、追究する過程において、
必ず個人の問題が浮上してきます。

Aさんの報告がなかったとか、
チェックが不十分だったとか、
原因を追求していくと、
最後はどうしても
個人攻撃になってしまいます。

しかしAさんも自分なりに
一生懸命やっていたと思っているので、
注意や指摘に対して、正当化したり反発したり、
時には逃避したりすることになります。

当然、Aさんの意欲は低下し、
さらなる問題の悪化につながるという
悪循環に陥る可能性が高いというわけです。

つまり、人がかかわる問題に対して、
原因志向で対応しようとすると、
どうしても個人に原因を見出すことになるため
その人は、責められた感が否めません。

一方、解決志向の場合は、
問題の原因を見つけ出すということはせず、
どんなときには上手くいくのかという、
その人の力が発揮できる状況や条件を見つけ、
それを今後の問題解決に活かそうという視点で、
相手と話をします。

例えば、最近職場に元気がないとしたならば、
原因志向だと「何で元気がないの?」と
質問されることになりますが、
解決志向の場合は、
「どんなときには元気がでるの?」という
質問をすることになります。

前者の質問だと、「疲れているから」とか
「嫌なやつがいるから」となりますが、
後者の質問だと、「評価されたとき」とか
「得意な分野の仕事をしているとき」となり、
今後の問題解決に活かせるヒントを
集めることができるというわけです。

このように問題志向の場合だと、
どうしてもネガティブなことばかりに目を向け、
それについて多くを語ることになるので、
どうしても気分が
ふさぎがちになってしまいます。

一方、解決志向の場合は、
答はすべてポジティブなものとなるため、
そこには可能性やアイデア、希望が
生まれることになります。

人にかかわる問題を扱う場合、
どちらの考え方を主体として
対応していくのがよいのかは一目瞭然です。

この解決志向の考え方は
「知足」の視点に似ていると思います。
「知足」とは、「足を知る」ということです。

つまり、時間がない、才能がない、お金がないと
「ない」ことばかりに目を向けてしまい、
落ち込む人は多いのですが、
「知足」はその反対であり、
自分には住む家があり、五体満足な体があり、
毎日食事も食べられるといったように、
「ある」ものに目を向けることができれば、
どんな人でも今の自分に
幸せを感じられるというわけです。

解決志向は、まさに「知足」の視点で
物事を見る考え方だと言えます。

以上のようなことを、
もう少し具体的な事例を紹介しながら、
話をさせて頂きました。

組織や企業でも
当たり前なように解決志向で
物事を考えられる雰囲気が生まれると、
ずいぶんと違ってくるのではないかと、
今回の講演を通して強く感じました。

近い将来、組織に中で
もっと積極的に解決志向の考え方が
取り入れられるような取り組みも
できたらいいなと思っている
今日この頃です。

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