先日、ブリーフサイコセラピー学会が
京都の龍谷大学であったので
それに参加してきました。

その中で、龍谷大学の吉川悟先生が、
「セラピストは詐欺師」発言が、
とてもインパクトがありました。

吉川先生は「自分は詐欺師」と
自虐的に言っていましたが、
ある意味、これは真実だと思いました。

詐欺師とは、人を騙すという意味では
本当の詐欺師もセラピストも
あまり変わりません。

なぜならば、セラピストは
あたかも、クライエントのことを
わかったかのようなふりをして、
セラピストのことを信用させます。

その上で、クライエントの
悩みや問題を解決するために、
あれこれやってみようという気にさせ、
実際に行動を起こさせます。

その結果、問題が解決したら、
セラピストに問題を
解決してもらったかのような
錯覚をさせてセラピーを終えます。

これがセラピストの仕事だと言えば、
まさに信用と錯覚、騙しを駆使して
問題が解決したと信じ込ませ、
それでいてお金まで取るわけですから、
詐欺以外の何ものでもないというのも
うなずけます。

ただ、本当の詐欺師とセラピストは、
ある意味違いがあってしかるべきですが、
それは、根底に悪意が
あるか否かではないかと思いました。

つまり、詐欺師は何やかんや言いながら
相手からお金を巻き上げ
私腹を肥やすという明らかな目的があります。
一方、セラピストは相手の問題を解決し、
その報酬としてお金をもらっているわけです。

でも、これもよく考えるとヘンです。
セラピストだって無料で
やっていないのであれば、
相手からお金をもらい、
自分の生活費や遊びのお金に
回しているわけですから、
その意味ではお金を儲けるという目的も
必ず含んでいます。

また有名なセラピストになると
その費用はどんどん高額になり、
2時間で5万円以上取るところもあります。
結局はお金を巻き上げる?とも
言えなくもありません。

ならば、視点を変えて、
商品が介在するか否かが
詐欺師とセラピストの違いだと
考えたらどうでしょうか。

詐欺師がよく高額の壺や絵画を
うまいこと言って売りつけます。
しかしセラピストは基本的に、
セラピーそのものを売っているのであり、
モノを売ることを目的とはしていません。

しかしここでもまた疑問が生じてきました。
セラピーやカウンセリングでも、
健康食品や健康グッズを
売っているところはたくさんあります。

彼ら彼女らは、お客さんに
幸せになってもらおうと思い、
一生懸命に悩み相談にのったりしますが、
結局のところ、
商品を買ってもらうことを目的としています。
そうしないと生活ができませんので。

商品やグッズを売らず
面接だけでお金をもらっているセラピストは
詐欺師ではなく、
モノを介して相談業務をしている人たちは
詐欺師かと言うと、
ん~中には、
詐欺っぽい人もいるかもしれませんが、
一般的には相手のためを思って
商品を売っているわけですから、
詐欺師とは言い難いと私は思っています。

そうであれば、
やはり一番大切なのは、
セラピストのかかわりが
善意に基づいているのか
悪意に基づいているのかが、
最も重要な分かれ目かなとも思いました。

でも、よく考えると、
これにもまた疑問が湧いてきました。

例えば宗教はどうかという話です。
多分、宗教を信じ、
それを広めようとしている人は、
みんなに幸せになってもらいたいと思い、
教祖様の教えに素直に従い、
一生懸命に布教活動をしているのだと思います。

そのような人は、善意に基づいて
行動していますし、
自分自身がお金を儲けようとして
やっているわけでもありません。

その意味では、少なくとも信者は
詐欺師とは言えません。

ところがどうでしょう。
オウムを始めとし、いかがわしい宗教は
世界中にたくさんあります。

教祖はもしかしたら詐欺師かもしれませんが、
その信者さんは、騙されている立場であり、
決して詐欺師ではないはずです。

でも、その人が正しいと信じている教えを
みんなに伝え、布教することで、
明らかに不幸になる人もいるわけです。

信じれば病気が治るとか、
お布施をたくさんすれば幸せになれるとか、
その人は真剣にそう思い、
布教活動に一生懸命になっているわけです。

この人は詐欺師でしょうか、
それとも詐欺師ではないでしょうか。

ん~ちょっとわからなくなってきました。