前回は、日常における無意識の力の
影響力についてお話しをしました。

今回は、それをコミュニケーションとして
どのようにうまく利用すればよいのか、
その方法についてお話しをします。

脳は五感を通して、
1秒間に2000個もの情報を感知し、
その中から認識すべきだと判断した情報を
無意識に蓄えていると言われています。

またインパクトの強い体験や
心に突き刺さるようなイメージや言葉は、
無意識にしっかりと刻み込まれ、
生涯にわたってものの考え方や感情、行動に
影響を及ぼす可能性が十分にあります。

どのような形にせよ、
無意識の中に蓄積された情報は
その人の人生や考え方、行動に
何かしらの影響を及ぼすことは明らかです。

だからこそ、悩みや問題を解決するための
手助けをしようとする場合でも、
その人の無意識の中にある、
問題解決のヒントとなるような情報を
うまく活性化させるようなコミュニケーションを
取ることができれば、
知らず知らずのうちにその人は、
解決につながるような行動を
取る可能性が高くなるというわけです。

では、具体的にはどうしたらよいのでしょうか。
それは、その人の無意識の中にある成功体験を
うまく引きだすということを
繰り返せばよいのです。

例えば、喧嘩ばかりしている夫婦が、
もう少し楽しいコミュニケーションが
取れるようになりたいと思っていたとしましょう。

そうであれば、過去の成功体験、
例えば、一緒に野球のテレビ放送を見て、
ファンのチームが勝ったときなどは
結構、楽しく会話をしているという事実を
思い出してもらえばよいのです。

そのためには
「今までで、どんなときには
普通の会話を楽しむことができましたか」と
質問すれば、
何かしらの成功体験を思い出すことができます。

このような質問することで、
過去の成功体験を思い出し、
それを言語化してもらうということが
実はとても重要なのです。

なぜならば、人は問題を抱えているときは、
ネガティブなことで頭がいっぱいで
よかったことやうれしかったことなどは
無意識の中に情報としてはあるものの、
それが表に出てくることはめったにありません。

でも、それを思い出したり、
言語化したりすることで、
意識と無意識の風通しがよくなり、
ちょっとした日常の刺激で、
成功体験の情報が出て来やすくなり、
それが知らず知らずのうちの行動として
表れやすくなってくるのです。

すると、野球のチケットプレゼントといった
新聞広告に目が止まったり、
たまたま見かけた好きな選手のグッズを
買ったりしてしまうという行動に
つながる可能性が高くなるというわけです。

でも、そのような行動が、夫婦の問題を
多少なりとも和らげることになるとは、
本人は全く認識していません。
あくまでも無意識のレベルで
行われる行動なのです。

それでよいのです。
無意識の力は私たちが思っているよりも
ずっと影響力があるのです。

だからこそ、悩みを相談されたような場合には、
無意識に蓄えられている、
過去の成功体験や未来の希望や可能性といった、
問題解決のヒントにつながる有益な情報を
できるだけ本人に語ってもらい、
それを言語化してもらえるような
コミュニケーションをとればよいのです。

これがコミュニケーションを通して
無意識の力をうまく利用する方法なのです。