前回は、問題には
モノ的なもの、こころ的なもの、
対立的なものという三つのパターンがあり、
それぞれに対して原因志向、
解決志向、つながり志向で
対応するという話をしました。

ただし、実際の問題を解決するにあたっては、
このようなアプローチをする前に
まず最初にすべきことがあります。
それは何が問題なのかを明確にすることです。

実は、問題を抱えている本人自身も
何が問題なのか、何に困っているのかが
わかっていないというケースが少なくありません。

何が問題なのかがはっきりしないうちに
話を進めていっても、
焦点がぼやけたままで解決方法を探すことになり、
結局うまくいかないことになります。

ですから、先ずは何が問題なのか、
それによってどんなことが困るのかといったことを
本人に質問し、それを明確にした上で
先に進むというのが大原則になります。

例えば、病棟の場合、
ある患者さんのナースコールが頻回で
困っているという悩みはよく聞かれます。

この場合、ナースコールが多いことが
問題だと考えがちですが、
それは違います。

もちろん、ナースコールが多いのも問題ですが、
大切なのは、ナースコールが多いことによって
何が困るのかという、
本当の問題を明らかにすることの方が
重要なのです。

ナースコールが多いことによって
何が困るのかとたずねると、
他の患者さんのところに行けなくなるとか、
やらなくてはいけない仕事がはかどらないなど、
実は、ナースコールの問題の背後にある、
本当の問題が見えてきます。

もしかしたら、
ナースコールが頻回なのは仕方ないけれど、
それによってやるべき仕事ができないことが
実は一番困っていることかもしれません。

そうであれば、解決策は
ナースコールを減らすということよりも、
忙しい中でどのようにやるべきことを効率的に
終わらせるかということになるわけです。

このように問題が何なのかを
はっきりさせておくことは、
その後の話し合いを有意義に進めていくためにも
とても重要なことだと言えます。

問題解決に向けて話を進めていく上で
もうひとつ大切なことがあります。
それはゴールを明確にするということです。
つまり、どうなったら
この問題は解決したと言えるかという
目標を明確にしておくということです。

ゴールが明確になっていないと、
何について話し合っているのかが
わからなくなってしまうため、
有効な話し合いができません。

先程の例でいくと、ゴールは
「夜間のナースコールが1時間に一回程度になる」
かもしれませんし、
「カルテ記載の効率的な書き方」かもしれません。

ゴールが具体的で明確であればあるほど、
解決策を考えていく上において、
方向性がぶれることなく
話を進めていくことができます。

問題とゴールを明確にすること、
これは問題解決を図る上で、
先ずやるべきことだということを
しっかりと認識しておくことが、
効率的かつ的確な話し合いをしていくためには
とても重要なことなのです。