私は昔から英会話が大の苦手です。
もちろん受験英語は勉強しているので、
英文を読むことはそれなりにできます。

しかしリスニングや会話となると
とにかく全くできないと言っても
過言ではありません。

そうは言いながらも、
今まで海外には何度か行っていますし、
学会などの懇親会で
外国人から声をかけられたこともあります。

そんなときは、やむを得ずしゃべるのですが、
まともにしゃべれたという記憶はありません。
ある時も、海外で突然、
「ハワユー(How are you)」と声をかけられ、
とっさに出た言葉が
「サンキュー(Thank you)」でした。

あとになり、どうして自分は
中1の最初に学ぶ挨拶英語すら
ろくにしゃべれないんだろうと
かなりへこみました。

そんなわけで、
英語に対する劣等感は筋金入りです。
何度も英語が話せるようになりたいと、
英会話学校にも3ヶ所くらい行きました。
でも、途中でどうしても行けなくなり、
結局辞めてしまうというのが常でした。

英語が話せる人を見ると羨ましく思うのですが、
自分は話せなくてもあまり困ることはないし、
別にいいかと、ほぼ諦めていました。

ところが最近、たまたまネットで
とある本が目に入ってしまいました。
「なぜ私たちは3ヶ月で
英語が話せるようになったのか」

この類の本を読んで
3ヶ月でしゃべれるようになった人など
見たことがありません。
当然、本を売るための戦略です。

と、わかりつつも
つい買ってしまうところが、
まだ、劣等感のあがく力が
残っていたということでしょうか。

この本にはほとんど英語は出てきません。
英会話を習得するためのコツが
書いてあるだけでした。

読んでみると内容は十分に納得できます。
しかし実際にやれるかというと甚だ疑問です。

著者である本城武則さんは
自分の経験と心理学の考え方を融合させ
独特のスタイルで英語を教えています。

先ず彼が主張しているのは
英語が話せる力や知識がありながらも
実際には英語が話せないのは
日本人の99%は対人恐怖症であり、
英語を話す以前に、話をするための
心の準備ができていないからだと言うのです。

つまり、気軽に他人に声をかけられないのは
対人恐怖症があるからだと言い、
日本人同士でも他人と話そうとしないのに、
なぜ外国人と話せるのか?というわけです。

もっともなことです。
私は基本的に恥ずかしがり屋なので、
英語も声を出して練習しないと
絶対にしゃべれないとわかっていても、
それすらなかなかできないのです。

声を出して英語を練習しているところを
誰かに聞かれてしまったらどうしよう!
などと思ってしまうのです。

見ず知らずの人に声をかけるのも
目的があればそれなりにできると思いますが、
何の目的もなく、気楽に声をかけるとなると
「恥ずかしさ」の方が上回り、
結構抵抗があります。
いわんや外国人をや、です。

この感覚は、前回のブログで書いた
“挨拶ができない”理由と同じだと思いました。
根底には「恥ずかしさ」があります。

この本では、その対人恐怖症を克服するための
トレーニング方法が書いてありました。
これを実践すれば
3ヶ月でぺらぺらになると言うのです。

その実践方法とは、
毎日1回、見知らぬ人に声をかける、
というものでした。

この件を読んだ瞬間、
こりゃダメだと思ってしまいました。
それができないから対人恐怖症なんや!と
読みながら突っ込みを入れていました。

さらに毎週ひとり、外国人に声をかけるとか、
積極的に「ハグ」をしましょうとか、
私にはとてもできそうもないことのオンパレードで
ちょっとため息が出てしまいました。

とりあえず一読はして、
頭では理解したものの、
とうてい使い物にならないと思い、
そのまま本棚にしまい込んでしまいました。

次の日、いつものように
早朝のウォーキングをしていると、
前の方から、同じくウォーキングで
こちらに向かって来る
年配の女性の姿が見えました。

すれ違いざまに、
私から「おはようございます」と
言っているのに気づきました。

今まで自分からすれ違いざまに、
挨拶をすることなどなかったのですが、
なぜかこの日は自分から
挨拶を「してしまった」のです。

このとき、ふと思い浮かんだとことがありました。
そうです!
毎日1回、知らない人に声をかける、
という、あの文言です!

人間の無意識に取り込まれる情報とは
本当に不思議だなって思いました。

本を読んだ瞬間は、
「そんなこと、できるわけない!」と
反発を感じていたのですが、
無意識でベルでは
「できたらいいなあ」
「ちょっとやってみようかな」と
思っていたのだと思います。

だからこそ、とっさに
「おはようございます」と
言えたのでしょう。

まあ、だからと言って
よし、今日から毎日声かけをするぞ!
などという気にはなれませんが、
心の片隅に「意識的に声かけをする」
という思いを置いておけば、
何かのきっかけで
スイッチが入るかもしれません。

私の根底にある「恥ずかしさ」を克服するために、
無理をせず、のんびりとやっていこうかなと
今は何となく思っているところです。