今回は30周年記念シンポジウムに関する
最後の報告になります。
今までメンタリストDaiGo、茂木健一郎さん、
奥平亜美衣さんの講演内容について
お話ししてきましたが、
本日は、最後の一人である
ホリスティック医学協会名誉会長の
帯津良一先生の講演について触れたいと思います。

ただ、帯津先生の話はやや高尚であり、
また帯津先生独自の難しい概念が
至るところに散りばめられているため
初めて話しを聴く人にとっては、
理解するのが難しかったのではないかと
少々懸念しています。

そこで、ここでは今回の話の内容を踏まえ、
ホリスティック医学について
書いておきたいと思います。

ホリスティック医学について書いたら
一冊の本ができてしまうほど、
内容は多彩で広範囲にわたっているのですが、
ポイントはさしずめ次の三つでしょうか。

「つながりの医学」
「治癒力の医学」
「気づきの医学」

「つながりの医学」とは、
肝臓や腎臓といったように
人間を臓器別に分けて考えるのではなく、
心と体のつながり、家族や社会とのつながり、
さらには環境や地球、宇宙とのつながりといった
すべてはつながりの中で
見ていく必要があるという視点です。

腰痛ひとつとっても、
単に脊椎や筋肉の問題だけではなく、
自律神経やストレスが関与していることも多く、
また家庭や職場でのストレスが
ひとつの大きな要因になっていることも
少なくありません。

そんな人が、森林の中を歩いたり
星空を眺めたりすることで
自然や宇宙とのつながり感じ、
それによって癒され感じを
持つことだってあるでしょう。

つながりとは、体の中の臓器や神経との
つながりのみならず、
心や環境といったものとのつながり、
さらには動植物や
衣食住といったものとのつながりにも
目を向けることが必要であり、
そのような「つながり」の視点から
健康や病気をみることが
ホリスティック医学の大きな柱のひとつです。

次の柱は「治癒力の医学」です。
人には自然治癒力が備わっていることは
誰でも知っていますが、
しかし実際には、病気になったり
痛みや発熱、下痢、咳といった症状が出ると
すぐさま薬で病気を治そうと考えます。

もちろんがんや肺炎のように
薬や手術が重要になってくることもありますが、
たいていの症状や病気は
放って置いても自然と治ってしまいます。
実際、外来を訪れる患者さんの8割は
実は何をしなくても治ると言われています。

そんなことからもわかるように
本来はもっと自然治癒力の存在を
意識してもよいはずなのですが、
多くの人はいつの間にやら、その存在を忘れ、
病気や症状があるとすぐに治療をしなければと
思うようになってしまったのです。

病気によっては薬や手術のメリットは
十分にありますが、
その一方で副作用や後遺症といった
デメリットも当然あるので、
可能であれば自然治癒力を最大限に発揮することで
病気や症状を治すことを考えようというのが
ホリスティック医学のもうひとつの柱です。

そのためには従来の西洋医学的な治療以外にも
自然治癒力を高めると言われている
さまざまな代替療法を利用することも
ときには大切だと考えています。

さらに治癒力は体だけではなく
心にも存在しています。
悩みや不安や落ち込みといった心の状態から
安心感、期待感、希望、喜びといった心の状態に
変わっていく力を心は持ているのです。
それが「心の治癒力」です。

ホリスティック医学は
「体の治癒力(自然治癒力)」と「心の治癒力」、
さらにはその両者の「つながり」を
大切にしているということを
ここでは覚えておいて頂ければと思います。

最後の柱が「気づきの医学」です。
これは健康がよくて病気が悪いとったような
ものごとを単純に良し悪しや正常異常で判断する
ものの見方ではなく、
どんなことに対しても、
そこにはそれなりの意味があるという立場から
健康や病気、生と死、幸不幸といったことを
考えていく必要があるという視点です。

その典型的なものが病からの気づきです。
病気になったことで、
自分自身のライフスタイルや
生き方の問題点に気づいたり、
仕事人間だった人が
家族のありがたさに気づいたりといったことが、
まさに病からの気づきです。

障害や末期がん、愛する人の死といったことを
否定的なものと捉えのではなく、
そこには、その人に気づいてもらいたい
何かしらのメッセージがあるという考えます。

そのメッセージに気づいたとき、
人は病の意味や生きる意味、
自分の使命や役割を知ることになり、
より深い充足感のある自分へと
成長していくことになるのです。
これはスピリチュアルな視点と
言ってもよいかもしれません。

以上のべたような
つながり、治癒力、気づきという視点に立脚し、
健康や病気を考えていこうというのが
ホリスティック医学なのです。

皆さん、わかって頂けたでしょうか。