先日、
「潜在意識にひそむ思考のクセ」というテーマで
3時間の講演をさせて頂きました。
初めての講演テーマであり、
私にとっては、ちょっとした挑戦でした。

この講演では、人の無意識や潜在意識が
いかに日常の思考や行動に
影響を与えているのかについて
以下のような視点から話をさせて頂きました。

1)無意識、潜在意識について
2)印象や直感が人を騙す
3)人は自分の都合のよいように考える
4)相手の存在や行動に影響される思考のクセ

この中で今回は
「人は自分の都合のよいように考える」について
少々お話しをさせてもらいます。

人は誰でも自分がかわいいので、
どうしても自分に都合のよい情報や
自分の考えを裏付ける情報だけを集め、
逆に、自分の考えに反するような情報は
無視する傾向にあります。
これを確証バイアスと言います。

例えば愛煙家の人であれば、
喫煙を続けると肺がんになりやすいという
ごく一般的な情報は見て見ぬふりをする一方で、
最近は喫煙率がどんどん減っているのに
肺がん患者数は逆にどんどん増えているとか、
全くたばこを吸わないにもかかわらず、
肺がんになる人が増えているというデータをもとに
喫煙を正当化するというパターンです。

私は雨女、A型の人は几帳面といったものも
すべて確証バイアスです。
雨女と言っている人でも、
当然晴れの日もあるのですが、
そのような日は「あら、めずらしい」の一言で
その事実は記憶の彼方に葬り去られます。

一方、出かけるときに雨が降っていると
「やっぱり私は雨女だわ」と、
自分の思いをさらに強めます。

ルーズなA型や几帳面なB型の人は
たくさんいますが、これらはすべてスルーされ、
几帳面なA型の人に出くわすと「やっぱりね」と
血液型性格診断に対する確信を強めるわけです。

また、成功の原因は自分にあり、
失敗の原因は他人や環境、不運にあると思う
思考のクセもあり、
これを自己奉仕バイアスと言います。

人がやらないのは怠慢だからであり、
自分がやらないのは忙しいからとか、
うまくいったのは自分に能力があるからであり、
うまくいかなかったのは
時間がなかったからだといった、
そんな思考回路がこの自己奉仕バイアスです。

また、大学教授に、同僚の教授よりも
自分は優れていると思うかとたずねると、
94%がイエスと答えるという研究があります。

当然、半分の人はノーと答えるはずなのですが、
実際には自分を高く評価している人の方が
圧倒的に多くいるのです。
これを平均以上効果と呼びます。

さらに、人は物事の結果を知ってから、
それが予想可能だったと考える傾向があり、
これを後知恵バイアスと言います。

典型的な例は医者が診断するさいに見られます。
「そんな生活をしていたら、
病気になるのは当たり前でしょう」
「何でもっと早く病院に来なかったんですか、
その頭痛が髄膜炎の前兆だったんですよ」

これらはすべて、病気になった結果を見てから、
あれがいけなかった、これが原因だったと
言っているわけで、
明らかな後出しジャンケンです。

実際には、不規則な生活をしていても
病気にならない人はたくさんいますし、
頭痛の大半は自然によくなるものであり、
少しの頭痛ですぐさま髄膜炎を考える医者など、
ほとんどいません。

このように、
人は自分を中心に物事を考えるクセがあり、
自分の都合のいいように理解し、
またそれが正しいと思い込んでいるのです。
これが人間という生き物なのです。

ただし、このような思考のクセが
必ずしも悪いとは言えません。
ときには失敗したり過ちを犯したりしたとしても、
自分中心に考えるクセがあるからこそ、
自分ならできる、これくらいは大丈夫だと思え、
そのため大きな仕事をやり遂げられたり、
新しい発見が生まれたりするという面も
あるからです。

つまり、自己中心的に考えてしまうことが
いけないのではなく、
人は自分を中心に考えるものだということを
知らないことが問題なのです。

その事実を知ってさえいれば、
困難にぶつかったときや、
どうしてよいかわからなくなったときに、
違った視点で自分を見つめることができるので、
その問題にうまく対処し、乗り越える可能性が
ぐんと高くなるというわけです。

なお、この講演については
もうひとつのブログ
「心の治癒力への旅」にも書いています。
気づきや感動をもたらす動画も見られますので、
よかったらこちらも合わせてご覧下さい。

ブログ:潜在意識にひそむ思考のクセ