人は自分を変えようと努力します。
ついネガティブに考えてしまう、
つい怒ってしまう、
つい食べ過ぎてしまう、
そんな自分が嫌だから、
自分を変えようと努力しようとします。

しかしたいていの場合、
この努力は失敗に終わります。
その結果、
やっぱり自分はダメな人間なんだ、
やっぱり自分は自制できない人間なんだ、
やっぱり自分は意志の弱い人間なんだ、と再認識し
さらに落ち込むということを繰り返すわけです。

こんなことを何度も繰り返していたら、
そろそろ気づいてもよいのではないのでしょうか、
いくら努力しても、
自分を変えることなどできないということに。

そんなことを言うと
ショックを受ける人もいるかもしれませんね。
中には、私は明らかに変わったので、
そんなことは信じないと
言う人もいるかもしれません。

ただ誤解しないでほしいのです。
私は、自分で自分を「変える」ことはできない、
と言いましたが、
自分が「変わる」ことができない、
とは言っていません。

つまりこういうことです。
例えば、いつもあれこれ心配して
クヨクヨ考えてしまう自分が嫌で、
そんな自分を変えたいと
思っている人がいたとしましょう。

ところがその人の心には
「自分はクヨクヨする人間だ」という
思い込みが厳然と存在しています。
いくら自分にそんな人間ではないと言い聞かせても
そう言い聞かせている人間自身が、
自分はクヨクヨする人間だと思っているのですから
これはいつまでたっても変えることなど
できるわけがありません。

つまり潜在意識に存在している思い込みは、
自分の意識では変えられないということです。

ではどうしたらよいのでしょうか。
それは待てばよいのです。
何を?
「変わる」のを、です。

人は自分の意思で自分を変えることはできませんが、
潜在意識に変化を引き起こすような
何かの「きっかけ」があれば、
人は自ずと変わります。

つまり自分を「変える」のではなく
自分は「変わる」存在なのです。

その「きっかけ」はいつ何時、
どのようなタイミングで起こるかわかりません。
ある人は、本のひと言かもしれませんし、
ある人は、母親の病気かもしれません。
ある人は、恋人の出現かもしれませんし、
ある人は、夕日の美しさかもしれません。

その人の潜在意識に変化をもたらすようなことは、
いつ、どのような形で現れるかはわかりません。

ただ潜在意識は自分をもっと楽にさせてあげたい、
自分の力をもっと発揮させてあげたい、
自分をもっと癒してあげたいと思っています。

私たちにはそのような、
自分を心地よくしようとする力が
存在しているのです。
それがまさに「心の治癒力」なのです。

だからこそ、
人は知らず知らずのうちに
潜在意識に変化をもたらすような
「つながり」や「きっかけ」を追い求め、
しかるべきタイミングを待っているのです。

つまり「きっかけ」を待つということは
自分の持っている「心の治癒力」を信じ、
それにお任せするということです。
そうすれば、いつか必ず
人には「変わる」チャンスが訪れるのです。

逆に、自分を変えようとすると、
その思いが、「心の治癒力」の働きを妨げ、
せっかくの「きっかけ」を
見過ごしてしまうことになってしまうのです。

ですから、皆さんも
自分を変えようなんて思うのはやめませんか。
そうすれば、きっと「変わり」ます。

だって、今までもそうだったじゃないですか。
昔、持っていた劣等感や
自分に対するネガティブな思いは、
今ではずいぶんと変化しているじゃないですか!

これが「心の治癒力」の働きなのです。