悩みを抱えているクライエントに対して
どのような視点を持って話を聴くかということは、
問題解決のためには極めて重要なことです。

ただ単に受容と共感をもって
クライエントの話しを傾聴したところで
具体的に何をどうしたらよいのかがわからない限り
問題の解決には至りません。

ではどのような視点を持って
話しを聴けばよいのでしょうか。
それはクライエントの
「思い込み」「行動」「つながり」
に注目すればよいのです。

この三つは全て繋がっており、
どれかが変われば他の要因にも変化が生じ、
問題は自ずと解決へと動き出します。

そのため、どうしたらこれらに
変化をもたらすことができるかということを
常に念頭に置きつつ、
クライエントの話しを聴いていくことが
とても重要になってくるのです。

では、この三つの要因とはどのようなものか、
簡単に説明していきましょう。

「思い込み」とは、
その人が知らず知らずのうちに
正しいと思ってしまっている事柄や考えです。
例えば、
「自分はもっとがんばらなくてはいけない」
「上司はもっと部下に思いやりを持つべきだ」
「人を傷つけるようなことは言ってはいけない」
といったものです。

これらはどれもごく常識的な思いであり、
家庭や職場、人間関係において
特に問題がなければ、何ら変える必要はありません。

しかし、もしその「思い込み」のために、
人間関係を悪くしたり、
ストレスを溜め込んでしまったりしていたならば、
その「思い込み」を緩めたり外したりする
アプローチが必要になってきます。

うまく「思い込み」が緩めば
気持ちは楽になります。
例えば「もっとがんばらなくては」という思いが
「体を壊すまでがんばる必要などない」
「ここまでやれたのは自分ががんばったからだ」
といった思いに変わったならば、
ずいぶんと気持ちが楽になりますし、
それだけで問題が解消することもしばしばです。

また、「行動」は問題解決の要になるものです。
こんなことをしたらうまくいくかもしれない、
という「行動」を実際に取ることで、
状況に変化が生じ、
それが問題解決につながるというわけです。

例えば、
部下にいつも厳しい上司に対して、
しゃれた図表入りの報告書を持っていったら
それ以来、自分に対しては
どことなく言い方が柔らかくなった気がする、
といった場合です。

これなどは今までとは異なる
新たな「行動」を取ることが「きっかけ」となり、
上司の態度がかわり、
問題が解決へと結びついたケースです。

そして最後が「つながり」です。
「つながり」とは自分を取り巻く環境の全てです。
人間関係や家庭環境、職場環境、自然環境等々、
自分と関わりのあるものは
全て「つながり」であり、
それらは自分の「思い込み」や「行動」に
何かしらの影響を及ぼしています。

例えば、
Aさんといるときはとても明るい気分になり、
仕事も楽しくできるが、
Bさんといると気が滅入ってしまい、
仕事もなかなか進まない、
といった経験は誰にでもあると思います。

このようにAさんやBさんとの「つながり」が、
その人の「思い込み」や「行動」に
大きな影響を与えるのです。

ですから、
自分もやみくもに仕事をがんばるだけではなく、
Aさんのようにもっと仕事を楽しんでいいんだと
思えるようになったならば、
「つながり」が「思い込み」に変化をもたらし、
それが「行動」にも
変化をもたらすことになるわけです。

このようにクライエントの
「思い込み」「行動」「つながり」に注目し、
それらに変化をもたらすには
どうしたらよいのかという視点から
クライエントの話しを聴くことが、
悩みや問題を解決する上において
とても大切になってくるのです。