日本人は言いたいことがあっても
あまりはっきり言わない、
自分を主張しない、
拒絶や怒りの感情を出さず我慢する、
周囲に合わせたり、おまかせしたりする、
といった傾向があると言われています。

確かに、仲間で食事をする際なども、
全員が同じものを注文したり、
講演後に講師が
「質問はありますか?」とたずねても、
手を挙げる人がほとんどいなかったりと、
様々なところで日本人らしさを
垣間見ることができます。

でもここでちょっと考えて見て下さい。
私たちは知らず知らずのうちに、
自分の言いたいことをはっきりと言ったり、
嫌なことは嫌だと我慢せずに言うことが
正しく好ましことであるかのように
思い込んでいるのではないでしょうか。

医療や心理の世界でも、
言いたいことはちゃんと言いましょうとか
感情は抑えず表出すことが大切です、
といったことをよく聞きます。

しかし私は、
このような考え方には
どうも違和感を覚えます。

確かに自分を主張したり、
感情をはっきり出す人の方が
積極的で目立ちます。
だからこそ組織を引っぱっていったり、
大きな仕事を成し遂げたりすることが
できるのかもしれません。

でも一方で、
物静かで自分をあまり主張しない人は、
周囲とのつながりや和を大切にし、
みんなで一緒にやっていくという能力に
長けています。

つまり、自分を主張する人もいれば
周囲の意見に合わせる人もいるからこそ、
うまくバランスが保たれ、
うまくいくという側面もあるのです。

だいいち、自分をあまり出さない人に
もっと自分を出しなさいと言うのは、
自分の意見を積極的に言う人に、
あまり自己主張するなと言うのと同じで
そんなことできるわけありません。

人それぞれ自分らしさというものがあり、
それが今の自分にとって一番居心地よい
振る舞い方なのですから、
それが自分を主張するというスタイルであろうが、
物静かで我慢するスタイルであろうが
どちらでもよいのではないでしょうか。

どちらが正しいとか、
どちらか好ましいとかいうことはありません。
時と場合と状況によって、
自分を主張する人の方が
好ましい場合もありますし、
じっと我慢してあまり感情を出さない人の方が
好ましい場合だってあるという、
ただそれだけのことです。

もしその人が、自分を主張したり
感情を素直に出す方が
楽だと感じるようになったならば、
自ずとその人は、そのようになっていくのです。

人は自分を変えようと思っても変わりませんが、
何かのきっかけで自ずと変わることはあります。
人とはそのようなものだと私は思っています。

皆さんはいかがでしょうか。