ブログ:喫茶店でできる無意識の存在を知る面白い実験

私は休みの日は、朝7時から近くの喫茶店に行き、
モーニングを食べながら本を読んだり
原稿を書いたりしています。

その際、無意識がいかに間違った行動を
取ってしまうのかという実験を
毎回やって楽しんでいます。

いつもコーヒーはブラックで飲みますが、
注文すると、コーヒーカップの皿には
必ずシュガーとスプーンが載っており、
それにフレッシュ(またはミルク)も
ついてきます。

私が「ブラックで結構です」と言うと、
テーブルに起きかけた(もしくは今置いた)
フレッシュだけを片付け、
シュガーとスプーンは持っていってくれません。

そのため「これも結構です」と言いながら、
皿の上のシュガーとスプーンを
指で押しのけるのですが、
店員さんは、ハッとした表情をしながらも、
そのうちのシュガーだけをわざわざ取り除き、
スプーンは置き去りにされるのが普通です。

そこで「これも」と言いながら、
さらに指でスプーンを押しやるのですが、
そのときになって初めて
スプーンも不要なんだと
気づいたかのような表情をして
ようやくスプーンも持っていってくれます。

私の観察では、
8割以上の店員さんはフレッシュだけを持ち去り、
私が「これも」と言うと、
そのうちの半分以上の人は、
スプーンを置き去りにして行きます。
最初から三つとも取り除いてくれる店員さんは
十人中、一人か二人ではないでしょうか。

人の日常におけるパターン化された行動は
無意識によって行われるため、
このような間違った行動を取ってしまうのです。

無意識は「ブラックで結構です」というような
パターンにないことが起こると、その都度
瞬時に対応をせまられることになります。

すると、今テーブルに置いたフレッシュが
もっとも目に入りやすく、
これを取り去ればいいんだなと
瞬時に思い込んでしまうのです。
これが無意識の取る行動です。
そのためフレッシュしか持ち去ってくれません。

さらに、「これも」と言って、
シュガーとスプーンを敢えてセットで
押しのけても、
スプーンはシュガーやフレッシュを
かき混ぜるのに必要なものだから、
これもいらない、などという
複雑?な思考は働きません。

シュガーを取り除く=ブラックという
無意識が得意とする瞬時の思い込みにより、
シュガーだけを持っていくという
行動を取ってしまうのです。

最初から、三つとも取り除いてくれる店員さんは、
過去の経験から十分に学習し、
そのような対応に慣れている人か、
よほど瞬時の判断力に優れた人かのどちらかです。

このように、人間の日常の行動や判断は
ほとんどの場合無意識によってなされています。
だからこそ、あまり意識することなく
さっさと行動が取れるという利点がありますが、
その一方で、明らかに間違った行動を
取ってしまうということもしばしばです。

人間とはそのような生き物なのです。

皆さんも、喫茶店に行ったら、
是非一度、試してみて下さい。

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