先日、京都で緩和医療学会が開催されました。
それに顔を出してきましたが、
これってちょっとおかしくない?
と思うような話があったので
それについて述べさせてもらいます。

緩和ケアにおいて
呼吸困難感はよくある症状のひとつですが、
それに対して酸素療法は有効か否かという
研究についての話でした。

肺がん患者さんなどが、
肺にあまり酸素が取り込めず、
呼吸困難を感じるケースはよくありますが、
この場合は酸素吸入をすれば楽になります。

しかし、酸素が十分入っているにもかかわらず、
不安などの理由から
息苦しさを感じるというケースもよくあります。

そこで、そのような患者さんに対しても
酸素吸入は有効なのかを調べるために、
酸素または単なる空気を
患者さんに吸ってもらい、
両者の間で呼吸困難感の改善度に
差があるかどうかを調べました。

その結果、
どちらも呼吸困難感に改善がありましたが、
改善の程度には差がありませんでした。
つまり、酸素であろうが空気であろうが
効果は同じだったということです。

つまり、空気を吸ったのと
同じ効果しかないということは、
酸素吸入をすることの有用性はないという結論に
なってしまうのです。

医者はエビデンス(科学的根拠)が
大好きなのですが、
これに基づいた研究の結論が、
こんなばかげた結果になってしまうのですが、
それが堂々と発表されていることにも
私は大きなショックを受けました。

酸素にせよ、空気にせよ
鼻につけたチューブから流れる気体を吸うことで
患者さんは安心するので、その結果、
息苦しさが楽になったように感じることは
経験的に誰もが知っていますし、
実際、研究結果を見ても
酸素も空気も同程度に
呼吸困難感を改善させています。

しかし、現代医学は
患者さんの安心感といった
心理的な要因で症状が改善することには
全く関心がありません。

あくまでも「酸素」が症状を改善させるのかという
純物質的事実だけに関心があるため、
たとえ、患者さんが楽になったとしても、
それが空気と同程度にしか楽にならないのであれば
酸素は空気と同じ効果しかないので、
酸素を吸う意味はないという結論に
なってしまうのです。

私に言わせれば、
酸素であろうと空気であろうと、
扇風機の風であろうと、
患者さんが楽になったという事実がある限り、
それは意味があるし有用だと言いたいのです。

このような発表を聞く度に、
エビデンス至上主義の現代医療の考え方に
幻滅を感じざるをえません。

人は機械ではありません!
心を持った生き物です!
医学の研究の対象は人なのですから、
人は物質のかたまりではなく、
心を持った生き物だとうことを
もう少し理解してもらいたいものです。