最近、お見舞いの時に生花を持ってくることを
禁止している病院が増えています。
これは生花に付着した細菌などによる感染症を
予防する目的だそうですが、
ここにはいくつかの問題点があると思います。

術後の患者さんや重症患者さんのように、
免疫系が極端に低下している患者さんには、
確かに感染症の危険性はありますが、
その他の通常の入院患者さんにとっては
ほとんど問題になりません。

にもかかわらず、その一部の患者さんのために、
大半の患者さんにも花を持ってくることを
禁止するというのは、
数年に一人くらいの死者がでる岸和田のだんじり祭りは、
危険だから中止にすべきだと言っているのと同じです。

皆さんは、インフルエンザの流行期に、
新たな感染を防ぐために
人混みの多い東京駅や大阪駅は
閉鎖すべきだと考えますか?
かぜやインフルエンザに
かかっている可能性のある患者さんは、
他の患者さんへの感染の可能性があるので、
病院に来ることを禁止すべきだと思いますか?
私にはこれらと同じようなことを
言っているように聞こえてしまうのです。

これらは、一部の人の危険性を考えるならば、
他の多くの人たちに
利益をもたらすものであったとしても
禁止すべきだという話しであり、
「木を見て森を見ず」「群盲象をなでる」状態に
陥っていると思わざるをえません。

ほとんどの人は生花をもらえば嬉しいし、
気持ちも癒されます。
それを、一部の患者さんにとっては
危険だからという理由で、
病院に生花を持ち込むことを
禁止するというのはどうかと思います。

ところが、ちょっとでも危険性があるものは、
何でもかんでもすぐに禁止するのに、
自分らのことになると、それ程徹底はされません。

例えば、感染に関して言うならば、
一番問題になるのは医療者が菌の運び屋となり
患者さんを感染させてしまう
院内感染の問題があります。

そのため手洗いや消毒を
徹底するように言われますが、
実際にはそれ程徹底されるわけではありません。
特に、パソコンのキーボードなどには
細菌がことのほか多く、
そのためパソコンを使用したあとは
必ず手洗いをしましょうと言われていますが、
実際にはほとんど実行されていません。

生花の持ち込みを禁止する前に、
まずはトイレのあとにはちゃんと手を洗うことを
徹底させる方が先ではないかと思うのですが、
皆さんはいかがでしょうか。